地球の環境を考えた素材を使ったスマートフォンが増えています。新興国に強いTECNOが発表した「TECNO CAMON 30 Series LOEWE. Design Edition」は背面に新しい素材を使ったデザインモデルです。
TECNOは新しいスマートフォン用の素材を開発する中で、人々が毎日飲むコーヒーに注目しました。世界中で毎日飲まれるコーヒーの量は20億杯以上で、そこから毎年何百万トンものコーヒーの搾りかすが廃棄され埋め立てられています。コーヒーかすは天然素材ですから自然に返りますが、分解の過程でメタンや二酸化炭素などの温室効果ガスを排出してしまいます。TECNOはここに注目し、人々の生活になくてはならない嗜好品の環境問題に取り組んだのです。
グリーンの美しいグラデーションはドイツ発のハイエンドかつデザインに特化したAV製品を展開しているLOEWEと共同で仕上げました。この新素材は製造時に有機溶剤を使わず、また太陽光発電の電力で製造されるとのこと。25%以上のバイオベース素材で構成されており、1台あたり0.8gのコーヒーかすが使われています。1台あたりの使用量はわずかでも、この素材が知られれば地球環境への感心も広がるでしょうし、コーヒー愛好者の方からも支持を受けるでしょう。
TECNO CAMON 30 Series LOEWE. Design Editionは、今年2月に発表された「TECNO CAMON 30 Premier 5G」をベースとしたデザイン変更モデルです。チップセットはメディアテックのDimensity 8200 Ultimateを搭載、ディスプレイは6.77型2,780×1,264ピクセルの高解像度で、バッテリーは5,000mAhで70Wの急速充電に対応。スマートフォンとしての性能もなかなか高く、TECNOの製品の中では最上位に位置します。
カメラ性能も高く、5,000万画素の広角、5,000万画素の超広角、5,000万画素の3倍望遠カメラを搭載します。フロントカメラも5,000万画素で、高画質カメラを4つも搭載しているスマートフォンは他のメーカーでもハイエンドクラスにしかなく、TECNOのフラッグシップクラスのモデルらしく妥協のないカメラ性能となっています。もちろん夜景にも強く、3倍望遠で撮影するポートレートもボケを美しく表現。そしてデジタルでは60倍と控えめな望遠ながら、SNSにアップするなら十分な画質を誇ります。
カメラ部分をよく見ると、右側をくぼませた特徴的なデザインになっています。本体を縦に持った時に、人差し指がここにかかるようになっているようです。DESIGND BY LOEWE.の表記もうまくデザインされています。スマートフォンのデザインは背面に円形カメラベゼルを搭載した「デジカメ風」のものが増えていますが、TECNOはこのモデルで左右非対称の形にすることで他製品との差別化をうまく実現しているのです。
フロントカメラは前述したように5,000万画素と高画質。ソニーの「Xperia」シリーズでおなじみの「瞳トラッキング」フォーカスを採用しており、どんな時でも顔写真がボケることはありません。最先端の肌色チューニングによる美顔エフェクトも提供しており「すべての人がカメラの前で本当の自分をさらけ出せる」と言います。
さらにAIポートレート撮影を行うと、楽しい自撮り写真を撮影してくれます。専用のAIポートレートモードで撮影すると、3秒おきに顔写真を4枚撮影、そこから顔の表情に合わせて4種類のポートレートをAIが自動生成してくれます。背景や洋服、髪型もAIが雰囲気に合うように生み出してくれるのです。「どんなポートレートを作ってくれるだろう」と、楽しみにしながら自分の顔写真を撮るのもいいですね。
TECNOのスマートフォンは日本やヨーロッパなどでは販売されておらず、このTECNO CAMON 30 Series LOEWE. Design Editionもフィリピンなどの新興国のみで販売される予定です。新興国向けスマートフォンは低機能、低品質という時代はすでに過去のものになり、主要国でも十分通用するモデルが次々と生まれています。今回のモデルのようにサステナブルを意識した製品を出してくるなど、TECNOの存在はいずれ主要国でも注目される存在になるでしょう。