フェラーリの新型車「12Cilindri」(ドーディチ チリンドリ)が日本に上陸した。聞きなれない車名の意味は? デザインはSFの世界に突入? 見どころ満載のフェラーリの新型車を間近でじっくり見てきた。ついでに値段も聞いてみたので、ボーナスの使い道に思いを巡らせている皆さんにこっそりお伝えしたい。

  • フェラーリ「12Cilindri」

    フェラーリの最新モデル「12Cilindri」が日本にやってきた!

車名はド直球!

イタリア語で「ドーディチ」は数字の12、「チリンドリ」はシリンダーの意味。つまり、「12Cilindri」は「12気筒」を意味する車名だ。その名の通り、ミッドフロントには自然吸気のV型12気筒エンジンを搭載する。

「V12エンジンは我々の歴史そのもの」だとフェラーリジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロさんは語る。日本では1960年代に「275GTB」が初めて正規輸入されて以来、V12モデルがフェラーリの歴史を彩ってきたという経緯がある。

  • フェラーリ「12Cilindri」

    フェラーリ伝統のV型12気筒エンジンを搭載!

フェラーリ最新のV12エンジン「F140HD」を積む「12Cilindri」の動力性能はものすごい。最高出力(馬力)は830cv/9,250rpm、最高回転数は9,500rpm、最大トルクは678Nm、停止状態から100km/hへの加速に要する時間(ゼロヒャク加速)はたったの2.9秒だ。最高速度は340km/h。

  • フェラーリ「12Cilindri」

    リアエンドにはスポイラー(可動フラップ)を搭載。速度が上がると電動で展開してダウンフォースを発生させる

擬人的デザイン手法からの脱却?

エクステリアについては「従来のフェラーリのミッドフロント・エンジンV12モデルのスタイリングルールを大胆に書き換えること」を目指したというのがフェラーリジャパンの解説。クリーンなラインが全体をシームレスにつなぐデザインが印象的だ。フェンダーは「究極の幾何学的精度で」造形したものだという。

「12Cilindri」の日本上陸に合わせて来日したフェラーリ S.p.A ヘッドオブプロダクトマーケティングのエマヌエレ・カランドさんによれば、このクルマのデザインでは従来の「擬人的なアプローチ」から離れ、「SF」の考えを取り入れたそうだ。いわれてみれば、「12Cilindri」にはクルマを生物のように見せる「目」や「口」などにあたる何か(ぱっちりしたヘッドライトや大きなグリルなど)が見当たらないような気もする。

  • フェラーリ「12Cilindri」

    日本でのアンベール時には光と音の派手な演出が。このあたりもSF的だった

  • フェラーリ「12Cilindri」

    左がカランドさん、右がロマニエッロさん

フェラーリジャパンの発表文をよく読んでみても値段がわからない。なので聞いてみると、「12Cilindri」は5,674万円、「12Cilindri Spider」(オープンカーもあるらしい!)が6,241万円とのことだった。日本へのデリバリー時期については現時点で未定だという。

  • フェラーリ「12Cilindri」
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  • フェラーリ「12Cilindri」
  • フェラーリ「12Cilindri」
  • 「12Cilindri」は2024年5月3日にアメリカのマイアミで発表になってから1カ月ちょっとで日本に上陸した。ひょっとすると、フェラーリは日本市場を重視しているのかも?

  • フェラーリ「12Cilindri」
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  • フェラーリ「12Cilindri」
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  • コックピットには3つのディスプレイで構成された新しいヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を導入。フェラーリが助手席の前にまで画面を用意してくれているのはちょっと意外だった