中途採用サービス『ミイダス』は、独自の可能性診断「バイアス診断ゲーム」の受検データから、年代とバイアスの関係について分析した結果を2024年6月5日に発表。調査は、2021年10月1日〜2023年9月30日の期間、「バイアス診断ゲーム」を受検した20歳以上59歳以下の4万3,245人のデータより、回帰分析で年代による傾向がみられた項目を抽出したもの。
「99%が成功、1%が失敗」など、同じ内容の違う表現。この表現によって判断が変わりやすいかどうかを表す「フレーミング効果」は、年代が上がるほど強くなり、「50代」(4.44点)が最も高く、次いで「40代」(4.06点)、「20代」(3.94点)、「30代」(3.82点)と続いた。年代が上がるほどポジティブまたはネガティブという表現方法の影響を受けやすくなっていることが判明したという。
他者への共感・同情・感情移入のしやすさを表す「共感性バイアス」は、年代が上がるほど高くなり、トップの50代は6.13点である一方、20代は5.49点との結果に。人生経験の蓄積から、年代が上がるほど他者への理解や共感を高めていることが見受けられるとのこと。
物事に対するネガティブな感情の抱きやすさを表す「否定的感情バイアス」は、年代が上がるほど高くなり、20代(5.24点)に比べ、50代(5.74点)は、0.5点高いことが明らかに。経験値が上がるとともに、リスクや失敗に対しても敏感になる結果、否定的な感情を抱きやすくなることが推察される。
先々の価値より目にみえる現在の価値を高く評価する度合い「現在志向バイアス」は、年代が上がるほど高くなり20代の5.32点と比較して、50代は5.98点との結果に。年代が上がるほど現在の利益や喜びを優先するようになる傾向がみられた。
他者の評価や自分の好みを制御して意思決定ができるかを表す「感情・バイアスの制御」はいずれも年代が上がるほど高くなり、トップの50代が6.48点である一方、20代は5.26点だった。
年代が上がると多様な局面を経験する人が増え、自身のバイアスに振り回されず冷静な意思決定ができるようになってくることが見受けられるという。
他者からの評価に対する感度「評価下落回避バイアス」は、「20代」(5.9点)が最も強く、次いで「30代」(5.58点)、「40代」(5.12点)、「50代」(4.78点)と続いた。若い年代ほど他人の目を気にして意思決定する傾向が明らかになった。
過去に投資したリソースの影響の受けやすさを表す「サンクコスト効果」は、トップの20代が5.93点である一方、50代は5.21点だった。若い年代ほど一度投資した時間、お金、労力などへの感情に執着してしまい、損切りを決断できなくなってしまう傾向がみられるという。
損失に対する感度「損失回避バイアス」をみると、50代が5.09点であるのと比較して、20代は5.74点と、若い年代ほど「損失回避」が強くなる結果に。
労力に対する感度「労力回避バイアス」は、「20代」(5.79点)が「50代」(4.93点)よりも0.86点高いことが判明。若い年代の方が「労力回避」が強くなり、年代が上がるほど労力よりも利益を優先していることが推察できる。