Adobeは6月7日、「アドビ基本利用条件のアップデートに関するお知らせ」を同社Webサイトで公開。基本利用条件の更新内容について多くの質問が寄せられたとして、変更点や具体的な事例を説明している。
基本利用条件で今回変更した箇所は、「2. Privacy.(プライバシー)」と「4. Your Content.(お客様のコンテンツ)」の一部。
今回の更新の焦点は「Adobeが実施しているモデレーション・プロセスの改善について、より明確にすること」で、生成AIの急速な普及や、同社の「責任あるイノベーションへのコミットメント」を考慮し、コンテンツ投稿の審査プロセスにおける手動モデレーションの強化をすることにしたもの。
同社はまた、サービスやソフトウェアを運用または改善する目的、および不正コンテンツから保護するといった、自社の規約を適用して法令を遵守する目的でのみ、コンテンツにアクセスするための限定的なライセンスを要求すると説明している。
Adobeのアプリケーション・サービスがコンテンツにアクセスする場合として、同社では以下の3点を挙げている。
- アドビのアプリケーションおよびサービスが、その目的に沿って設計され使用される機能(ファイルを開いて編集する、または共有のためにサムネイルやプレビューを作成するなど)を実行するとき。
- Photoshopの「ニューラルフィルター」や「リキッドモード」、「背景を削除」といった、クラウドベースの機能を提供するとき。
ユーザーはコンテンツがどのように使われるかをコントロールできる。その詳細や、コンテンツ分析を無効にする(またはオプトアウトする)方法については、ヘルプページの「コンテンツ分析に関する FAQ」を参照のこと。 - アドビのサーバーで処理または保存されるコンテンツについて、アドビは、児童への性的虐待に関する素材などの特定の違法コンテンツ、または、その他の不正なコンテンツや行動(スパムやフィッシングを示す行動パターンなど)をスクリーニングするために、手動レビュー向けのエスカレーションを含むテクノロジーやその他のプロセスを使用することがある。
なおAdobeは、ユーザーのコンテンツでAdobe Firefly生成AIモデルをトレーニングすることはなく、ユーザーの作品の所有権を侵害することもないと強調。「透明性の確保とクリエイターの権利を保護し、ユーザーが最高の仕事をできるよう、引き続き全力を尽くす」とコメントしている。