シャープとソフトバンクは、大阪・堺市にあるシャープの液晶パネル工場関連の土地と建物を活用し、大規模なAIデータセンターを構築することで基本合意書を締結。「液晶」の工場が「AI」の拠点に生まれ変わる。両社は2025年中の本格稼働をめざす。
ソフトバンクは、シャープ堺工場の敷地面積全体の約6割に当たる約44万平方メートルの敷地と、延べ床面積約75万平方メートルの建物に、受電容量が約150メガワット規模のデータセンターを構築。ソフトバンクが同工場の土地や建物、電源設備、冷却設備などを譲り受けたかたちで、着工は2024年秋ごろ、本格稼働は2025年中をめざしている。将来的には、受電容量を400メガワット超の規模まで拡大する見込み。
同工場を活用したAIデータセンターの構築について、両社は2024年1月から協議開始。このデータセンターは、生成AIの開発やAI関連事業に活用するほか、大学や研究機関、企業などに幅広く提供予定だという。また、環境負荷が低いデータセンターとして、クリーンエネルギーの活用も検討する。
シャープの堺工場は2009年、当時“世界唯一の第10世代マザーガラス工場”として操業開始し、これまでテレビなど大型液晶ディスプレイパネル供給を担ってきたが、2024年9月末までに生産停止することを決定。その後の活用方法として、6月3日にはシャープとKDDI、Super Micro Computer、データセクションがAIデータセンター構築の協議開始に合意したと発表したばかりだ。