思えば"ファミレス飲み"というカルチャーもかなり定着した気がする。かつては「飲み=居酒屋」がセオリーだったが、ファミレスメニューの安定感と充実感、コスパの良さに世間が気づき、今や夜のファミレスも大賑わい。席も広々としていて居心地もいいんだよな~。
ところで、どの店が最も"ファミレス飲み"に向いているのだろうか。なかなかひとつに絞るのは難しいが、個人的に「オリーブの丘」は優勝候補の一角に食い込むものと確信している。その理由を解き明かしていこう。
▼「オリーブの丘」で好き勝手に食って飲んだ結果、会計は衝撃の……
イタリアンチェーン「オリーブの丘」。東京都心にはあまり展開していないのでまだ来店したことが無いという人もいるかもしれない。その有能性を知っている我々は毎度ドヤ顔で暖簾をくぐっているわけだが(イタリアンなので暖簾はあくまで比喩なのだが)、ここはガチ推せる。シンプルに安くてウマい。
アレコレ語るより、ざっくりメニュー表をご覧いただいたほうが話は早いだろう。
う~ん……。もう何度も利用しているけど、こうして改めてメニュー表を見ると、目を疑うレベルのコスパだわ……。パスタなんて400~500円台のメニューもたくさんあるけど、これ冷凍麺じゃないからね。イタリアの乾麺から茹でてるからね。
さて、今日は「ファミレス飲み」ということで、もう食べたいものを食べて、飲みたいものを飲もうと思うのだが、こうもメニューが多いと選ぶだけでたいへんなんだよな~。どうやって選ぼうかな。とりあえず蒸し暑いし、キリッと冷えたハウスワイン(白・209円)のグラスからいきますか。
おっ、その上にある「銚子産の真いわしのマリネ」(319円)ってのは白ワインに合いそうだな……などとひとりでブツブツ言いながらもろもろのオーダーを完了! めちゃいいセレクトができた気がする。
まず運ばれてきたのは……
白のハウスワイン!
そして……
銚子産の真いわしのマリネ! 出だしから完璧な布陣。もうさっそくいっちゃおう。まずはマリネから一口……。
く~……!! ウマッ! 新鮮でめちゃ美味しい! いわしの風味がしっかり感じられるのに、臭みとかゼロ! 青魚って扱いを間違えるとエグみが出るけど、これは一切そうゆうのはなし。身はふっくらしていて柔らかく、とろけるような食感もあって美味しい。ピンクペッパーも爽やかで、マリネとしての酸味も程よくトゲトゲしさは皆無。全部が絶妙だ。
案の定、白ワインとの相性もめちゃくちゃいい! キリッと冷えた白ワインは実にフルーティで香りも華やか。だけどちゃんと辛口で食事によく合う。マリネの酸味とのマリアージュがたまらん!
続いて到着したのは「モッツァレラフリット」(319円)。決して小ぶりでもないのに、ひとつ100円だなんて……バグ?
もちろん味のほうも間違いない! 衣は食べごたえがあるザクザク食感で、なかはモチモチ&トロトロ! トマトソースもウマいし、これはウマい! モッツァレラのミルキーな旨みとトマトソースの酸味がベストマッチしている。もちろん白ワインにも合うし、これなら間違いなく赤ワインにも合うだろう。
ということで、今度は……
「デミグラスハンバーグ」(539円)と……
「イタリア産リコッタとキャロットラペのブルスケッタ」(319円)、そして……
ハウスワイン(赤・209円)が到着!
まずは大胆にハンバーグをかっ喰らい……
すかさず赤ワインを合わせる。
間違いない。間違いなど起こるはずがない。
ハンバーグはとてもジューシーで、濃厚なブランソースは肉の旨みをさらに引き立ててくれる。ソースの材料に赤ワインも使っているのかな? マジで赤ワイン進みまくるぞこれ。これで539円は絶対におかしいって。700円は取らないと変な空気になるって。
赤ワインのほうはほどよく酸味が効いたミディアムボディで、葡萄のフレッシュな果実感と渋みのバランスがちょうどいい。マジでハンバーグに合うわ~。
パンの代わりに注文したブルスケッタも手が込んでいる。リコッタのさっぱりした風味とミルク感、キャロットラペのシャキッとしたビネガーの酸味が食欲を増進。濃厚なハンバーグの箸休めとしても最適だ。
これだけ好き勝手に食べて飲んでも合計金額は1,914円(!)。2,000円でお釣りがくるレベルである。ファミレス飲みじゃないと考えられないし、この満足感はオリーブの丘じゃないとなかなか難しいんじゃないかな~。
ちなみに、例えば「えびとブロッコリーのアヒージョ」(539円)+「あさりの白ワイン蒸し」(319円)+ハウスワインのグラス(209円)×3杯なら1485円で1,500円以内に収まるし、「ライスコロッケ」(319円)+「ソーセージのオーブン焼き」(429円)+「赤ワイングラス」(209円)なら957円と、なんと1,000円以内に収めることができる。
ハイコスパなうえに味もウマい。ぜひこのファミレス飲みの大本命で、自分なりのベストな飲み方を見つけてみてほしい。