今年もCOMPUTEX 2024のPalitブースを見てきました。同社グラフィックスカード製品といえば他社製品と比較してかなり意欲的な値付けがされている点が特徴で、主にドスパラ(サードウェーブ)を日本国内向けの総代理店として展開中。単体販売はもちろん、ドスパラ製BTOパソコンで知らずに愛用しているユーザーも多いはずです。

筆者は去年もPalitブースを見てきたのですが(参考記事:『COMPUTEX TAIPEI 2023 - 日本でも大普及のPalitブースをチェック! グラボに“溶岩”が載っている』)、今年のPalitブースはだいぶデカくなっていてびっくり。まさかの2階建て、しかもSNSフォローで名物の台湾啤酒を振る舞いまくる大人気ブースになっていました。

取材協力:Palit

  • COMPUTEX TAIPEI 2024 - Palitのブースが超巨大化、来場者にビールを振る舞って新製品を紹介

Palitといえば、キラキラのRGB LEDで“真夜中の万華鏡”を表現した「GameRock」、ややシンプル目な「GamingPro」、ほとんど装飾を廃してシンプルに仕上げた「JetStream」、デュアルファンのコンパクトな「Dual」、セミファンレス仕様の「Kalm X」や真っ白の「White」シリーズを現行製品として展開しています。

一方、大きくなり続けるグラフィックスカードに危機感を感じたのか、今回NVIDIAは「SFF Ready」なるガイドラインを発表しました。所定のサイズを下回ることで冠することができるようになる製品アピールの一種で、要はスモールフォームファクター対応とのこと。Palitでも今回GeForce RTX 4080 SUPERまでのハイエンドモデルを含めて「INFINITY」シリーズを展開し、SFF Readyをサポートします。

  • Palitの製品シリーズ。SFF Readyは長さに加えて、ブラケットからの縦方向の飛び出しがやや制限されています

さらに、ブース内では先進的な仕様のコンセプトモデルを見ることもできました。既存のGameRockシリーズに本格水冷用の水路を組み込んだ「Neptune」や、全体をアルミダイキャストで製造して表面から一切ネジが見えないスマートな外観を実現した「SUPER Master」、インフィニティミラーを側面に備えて加飾した「Beyond Limits Quartz / Crystal」を発見。

  • 「Neptune」シリーズ。空冷と水冷のハイブリッドで、水冷を使わなくても空冷だけで動作できるとのこと

  • 「SUPER Master」。ネジが一切見えないエレガントな外観で、展示物はNVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏のサインが入っていました

  • 「Beyond Limits Quartz」。側面にインフィニティミラーが入っています

  • 「Beyond Limits Crystal」。角を落としたことで立体感を強調し、中身が透き通っているかのような質感

これまでPalitは手ごろな価格とゴージャスな外観で精力的な製品展開が行ってきていましたが、個人的にはラインナップに欠けていた「高級感」を備えたモデルをSUPER Masterで実現してきた点が好印象。シャンパンカラーのデザインはいかにもラグジュアリーで、総金属製のファンカバーは冷却性能にも効果がありそうです。

ブースの一角にはNVIDIAのパートナーエリアとして、ローカル環境でAIアプリを楽しめるようになっていました。マイク入力を検出して応答してくれる「NVIDIA ACE」、チャットボットの「ChatRTX」、定番の「Stable Diffusion」を体験できます。

  • NVIDIA ACE。マイクに話しかけるかテキスト入力することで、音声を生成して応答してきます

  • ChatRTX。ローカル環境で大規模言語モデルを簡単に体験できるというもので、導入が手軽なのも特徴

  • Stable Diffusion。おいてあるカメラで撮影するとアメコミヒーロー風イラストを生成してくれました

そのほか、Palitといえば3Dプリンタでファンカバーを自作することも可能。ブース正面には巨大なコンテスト受賞作が展示されており、注目を集めていました。ビールを振る舞っているブースはPalit以外あまり見られず、目立つ展示になっていた2024年。ブースは大型化してスタッフもだいぶ増えており、かなり勢力を拡大しているように感じました。

  • グラフィックスカード本体はどこにいったのか、あとケースに入るのか(入りません)

  • 会場でPalit各種SNSをフォローするとデカいカップになみなみと入ったビールをプレゼント。いただいたものは無駄にできません