テレビ朝日系ドラマ『特捜9 season7』(毎週水曜21:00~)最終回が5日に放送され、新藤亮の異動が明らかに。演じる山田裕貴が、コメントを寄せた。

  • 山田裕貴=テレビ朝日提供

■『特捜9 season7』テーマは“多様性”

『season7』のテーマの一つが“多様性”。班長・国木田誠二(中村梅雀)、主任・浅輪直樹(井ノ原快彦)のもと、小宮山志保(羽田美智子)、青柳靖(吹越満)、矢沢英明(田口浩正)、新藤亮(山田裕貴)、高尾由真(深川麻衣)ら個性強めで一見バラバラな特捜班メンバーが、多様性を増す犯罪とその背景に秘められたさまざまな人間ドラマに全力で向き合う姿を1話完結形式で描いていく。先週放送した第9話では、『9係』から数えてシリーズ通算200話という快挙も達成した。

前回の第9話(5月29日放送)以来、「新藤くんどうなるの!? 主任になる? まさか異動?」「来週新藤くんに何が待ってるんだろうか……」など山田演じる刑事・新藤の今後に注目が集まっていたが、最終回では新藤の“異動”が決定。兄のように慕ってきた直樹とのやりとりを経て、新藤が特捜班を離れる決意を固めた感動のラストシーンが描かれた。

■進藤、最終回で異動が決定

最終回で直樹ら特捜班が挑んだのは、第9話から続く戦慄のディープフェイク動画事件。次々と不気味なフェイク動画がアップされる中、犯人の狙いは“警視庁創立150周年記念式典”に出演する特捜班前班長・国木田誠二(中村梅雀)であることを突き止める。新藤は『season5』(22年)での潜入捜査時以来の“金髪姿”に変装して会場に潜伏し、犯人の凶弾から国木田を守ることに成功。引き金を引いたのは国木田への恨みを再燃させた伊勢谷武(岩永ひひお)だと判明するも、巧妙なフェイク動画で彼の憎しみをあおり、犯行へと仕向けた男の素性は闇に包まれたままで、事件は不穏な要素を残しての幕引きとなった。

そうして迎えたラストでは、直樹の口から、警察庁警備局警備企画課より正式に新藤への異動要請があったことが明かされる展開に。実は、警察庁警備局警備企画課は新藤の亡父の古巣であり、『season5』でも引き抜きを打診されていた部署。「行った方がいいよ」と冷静に異動をうながす直樹に、新藤は「(特捜班に)居たいっすよ。できることならこのまま」と本音を吐露しながら、「でも、喜ばなきゃいけないっすよね……喜ぶべきことだ、そう言ってるんすよね?」と直樹の言葉の真意をくみ取り、自ら飛躍のため特捜班を離れることを決断した。そして、その言葉を受けた直樹も「行ってこいよ。別に、異動って言ったってさ、永遠の別れじゃないんだから。特捜班はお前の実家なんだから、いつだって帰って来い」と温もりあふれる言葉を返し、『特捜9 season7』のラストにふさわしいシーンとなった。

2018年放送の『特捜9 season1』からメンバーに加わった山田。今作のクランクアップでは目に涙を浮かべながら、「7年間、共に過ごしてくださり本当にありがとうございました。山田裕貴が何者でもない時代から、僕という存在を拾ってくださって、本当に感謝しています。新藤は異動しますが、彼は『特捜9』の中でずっと生きています。セリフにもありましたが、“帰ってきたい”“ずっとここにいたい”という思いは強く持っていますので、なにかあれば潜入捜査でもなんでもやります。本当に本当にありがとうございました。みなさんの仲間になれてよかったです!」とスタッフ&キャストへの感謝を万感の表情で語った。

【編集部MEMO】最終回あらすじ
宝石店強盗、拳銃密売、連続ペット窃盗という3つの事件がすべてフェイク動画による冤罪であることに気づいた浅輪直樹(井ノ原快彦)ら特捜班は、真犯人が新たに作成したと思しき犯行予告動画を調べていた。しかし、「150歳の老人の誕生祝いに、男は祝砲の弾を込め、女は皿に鳥の頭を盛って、新しい指揮者が古い指揮者を殺す」――という不気味なメッセージの謎が解けないばかりか、動画の最後に出現した真犯人らしき男についても手がかりは皆無で、犯行予告の日まであと3日しかないにもかかわらず、捜査は暗礁に乗り上げていた。そんなとき、犯行予告日に警視庁150周年記念式典が開催されることが判明。真犯人の狙いは、このイベントなのか!? 奇しくも150周年記念式典は、警視庁音楽隊に異動した特捜班前班長・国木田誠二(中村梅雀)の初舞台でもあった。すぐさま式典の予定会場に向かった特捜班は、犯行予告動画に映っていた男・出口一郎(柏原収史)を発見して確保する。ところが、その背後で突然、爆発が!? さらに、捜査支援分析センター(SSBC)副所長・村瀬健吾(津田寛治)と分析官・三ツ矢翔平(向井康二)が、ネット上にまた新たな犯行予告動画を発見。その動画に出現したのは、またしても見知らぬ女の顔だった。他人の“顔”を利用してディープフェイク動画を作り、その顔を次々と脱ぎ捨てて犯罪を重ねていく真犯人は、いったい何者なのか。そして、なんと直樹の“顔”まで盗まれる衝撃の事態が発生!? 大勢の観客が集まる式典で大パニックが巻き起こる事態に。式典当日、何を思ったか、新藤亮(山田裕貴)がバディを組む直樹とは別行動を取りはじめて……。犯人の顔も目的もつかめない、すべてが謎に包まれた犯罪に、特捜班はどう立ち向かうのか。