ECSのブースで見つけたのは、人工衛星を制御するためのオンボードコンピュータ(OBC)。これは、台湾の国立成功大学(NCKU:National Cheng Kung University)が開発している6Uサイズ(1Uは10cm角)のキューブサット「Lilium-3」に搭載されるもの。2025年Q3に打ち上げられ、軌道上で動作検証を行う予定だ。
Liliumシリーズは、3Uサイズだった初号機「Lilium-1」が2023年12月に打ち上げられたばかり(上記写真の衛星)。同社のOBCは、3号機であるLilium-3で初めて搭載され、軌道上での動作検証のあと、ほかの衛星に搭載し、実際の制御に活用していく計画だ。
このOBCには「OBCCM7R」という名称が与えられており、Cortex-M7コアのCPUが搭載されているという。宇宙は特に信頼性が求められる分野であり、開発のパートナーとして選ばれたというのは、その技術力が高く評価されたということだろう。COMPUTEXでずっとECSを取材してきた筆者としては、非常に感慨深いものがある。
展示コーナーにはなぜかVRゴーグル「Quest 3」が置かれており、聞いてみたらLiliumの内部機器を見ることができるコンテンツが入っているとのこと。早速試してみると、ハンドトラッキングで各コンポーネントを引き出して、説明が表示されるようになっており、とても面白かった(説明は中国語なので理解できなかったが)。
そのほか、日本で発売される予定のコンシューマ製品では、超小型PC「LIVA Z7 PLUS」が展示されていた。第14世代Coreを搭載するもので、こちらは7月の発売予定とのこと。