モトローラ・モビリティ・ジャパンから3月22日に発売されたAndroidスマートフォン「moto g24」の実機をお借りして試用しました。実勢価格は20,800円、MVNOの割引などを利用すればさらに安く手に入る日本市場では最廉価クラスの製品ですが、クセの少ない仕様で無難に選びやすい機種だと感じました。

  • モトローラの新エントリースマホ「moto g24」。価格は20,800円

    モトローラの新エントリースマホ「moto g24」。価格は20,800円

クリーンなデザイン、シンプルなUI

まずはデザインから見ていきましょう。側面・背面がすべて平らでシンプルな一枚板のようなフォルムは近年のトレンドでもあり、「moto g53j 5G」「moto g13」など直近のミドル~エントリークラスのモトローラ製スマートフォンとも大きく印象は変わりません。

  • 画面サイズは6.6インチ。約181gと大きさやバッテリー容量の割には軽め

    画面サイズは6.6インチ。約181gと大きさやバッテリー容量の割には軽め

  • 滑らかにカメラ周りが盛り上がったデザインは珍しく、クリーンで上品な印象

    滑らかにカメラ周りが盛り上がったデザインは珍しく、クリーンで上品な印象

注目ポイントはカメラ周りの仕上げで、他社も含めて大抵はバックパネルの上に“カメラの土台”のようなパーツが乗るところ、1パーツで滑らかに盛り上げつつもエッジを立てた珍しいデザインになっています。特に手間のかかる作りというわけではないと思われますが、個性もあり上品なルックスが気に入りました。

汚れの目立たないサラサラした手触りのメタリックカラーも清潔感があります。質感そのものは先述のmoto g53j 5Gなどと同様ですが、春らしい爽やかなアイスグリーンがまたクリーンなデザインに合っていて好印象でした。

  • 右側に音量キーと電源キーを配置

    右側に音量キーと電源キーを配置

  • 左側にはカードトレイがあり、最近では珍しくなってきたnanoSIM×2+microSDの3枚が同時に入る仕様

    左側にはカードトレイがあり、最近では珍しくなってきたnanoSIM×2+microSDの3枚が同時に入る仕様

  • 上部にはイヤホンジャック。DolbyAtmos対応を示すロゴも

    上部にはイヤホンジャック。DolbyAtmos対応を示すロゴも

  • 充電端子はUSB Type-C

    充電端子はUSB Type-C

ソフトウェアはモトローラらしく、メーカー独自のUIカスタマイズが控えめで素のAndroidに近いもの……という評価は何度となく書いてきましたが、海外で既に発売されている2024年モデルの「motorola edge 50」シリーズなどでは「Hello UI」なる新UIの導入も確認されており、今後は状況が変わってくるのかもしれません。

  • UIは素のAndroidに近いシンプルなもので、Google傘下時代からの伝統となっている各種ジェスチャー機能は健在

    UIは素のAndroidに近いシンプルなもので、Google傘下時代からの伝統となっている各種ジェスチャー機能は健在

基本性能は価格相応、大容量のメモリ&バッテリーが長所

続いては性能をチェックしていきますが、基本的なスペックは以下のとおりです。

  • OS:Android 14
  • SoC:MediaTek Helio G85
  • メモリ(RAM):8GB
  • 内部ストレージ(ROM):128GB
  • 外部ストレージ:microSDXC対応(最大1TB)
  • ディスプレイ:6.6インチ 1,612×720(HD+)90Hz IPS液晶
  • アウトカメラ:約5,000万画素 F1.8(メイン)+約200万画素 F2.4(マクロ)
  • インカメラ:約800万画素 F2.0
  • 対応バンド(4G):Band 1/2/3/5/7/8/18/19/20/26/28/38/40/41
  • SIM:nanoSIM×2(DSDV対応)
  • Wi-Fi:IEEE 802.11a/b/g/n/ac
  • Bluetooth:5.0
  • バッテリー:5,000mAh
  • 急速充電:15W
  • 外部端子:USB Type-C(USB 2.0)、3.5mmステレオミニジャック
  • 防水/防塵:IPX2/IP5X
  • 生体認証:指紋認証(側面)、顔認証
  • その他の機能:ステレオスピーカー、NFC対応
  • サイズ:約163.49×74.53×7.99mm
  • 重量:約181g
  • カラー:マットチャコール、アイスグリーン

moto g24に搭載されるSoCはMediaTekの「Helio G85」。2020年発表とやや古く、12nmプロセスで製造されCPUコアはCortex-A75とCortex-A55という構成のチップです。登場時の位置付けとしては一応ミドルですが、2024年現在の基準ではローエンドといえる性能です。

CPU/GPU性能はかなり控えめな一方で、メモリが8GBと、このクラスにしては贅沢に奢られている点は目を引きます。正直なところ、この処理能力で大容量メモリを活かせるシチュエーションは限られるとは思いますが、たとえば子どもや高齢の家族に「はじめてのスマートフォン」として安価な本機種を与えるとしたら、不慣れな人が陥りがちな「気付かぬうちに大量のアプリを開きっぱなしでスタンバイさせてしまっている」状況に強いという意味では役立つかもしれません。

  • 画像左側はGeekbench 6によるCPUベンチマークの結果。右は3DMark(Wild Life)によるグラフィック性能の計測結果

    画像左側はGeekbench 6によるCPUベンチマークの結果。右は3DMark(Wild Life)によるグラフィック性能の計測結果

ほかには電池持ちの良さも長所といえます。5,000mAhバッテリーの採用に加え、ディスプレイ解像度が低めであることも効いていると思われます。焼き付きのリスクが低い液晶ディスプレイであることと合わせて、ナビアプリやフードデリバリーの配達員向けアプリの利用など、長時間酷使する用途でラフに扱える手頃なサブ端末としてはちょうど良さそうです。

もちろん価格相応に割り切って考える必要がある部分もあり、たとえばカメラは性能面でもソフトウェア処理の面でも最近のミドルレンジ以上の写りとは大きな差があります。それでも使いどころ次第では安価ながら確かな仕事をしてくれる道具になるでしょう。

  • 大容量バッテリーに焼き付きにくい液晶、扱いやすい軽量ボディ、そして手頃な価格といった組み合わせは、用途によってはラフに使える道具としてハマりそう

    大容量バッテリーに焼き付きにくい液晶、扱いやすい軽量ボディ、そして手頃な価格といった組み合わせは、用途によってはラフに使える道具としてハマりそう

  • moto g24のメインカメラで撮影した写真

    moto g24のメインカメラで撮影した写真

  • 付属のTPUケースはクリアのようでほんのりと青く、黄ばみが目立ちにくそう。さりげない気遣いがうれしい付属のTPUケースはクリアのようでほんのりと青く、黄ばみが目立ちにくそう。さりげない気遣いがうれしい

    付属のTPUケースはクリアのようでほんのりと青く、黄ばみが目立ちにくそう。さりげない気遣いがうれしい