そんな賛否を呼ぶ郷土料理が沖縄県にもあるという。それは、ヤギ汁。
沖縄へ飛び、県民の賛否を確認。ウチナーファミリーの女性たちに、沖縄で好き嫌いが分かれるものはと聞くと、すかさず「ヤギ」「絶対ヤギ」との否定的な言葉が返ってくる。他の女性たちも全員否定派。
だったら男性は?海辺にいた屈強な男性コンビに聞くと、「嫌い!」「自分も嫌いです!」と即答。
「飲み終わりに先輩に連れて行かれたことあります。」
「ヤギハラじゃないかな。」ヤギを食べさせるのはヤギハラスメントということか。
海辺のウチナーレディたちも「好き嫌い分かれる。獣臭が。」
もう一人のレディは「そうそう」と言いつつ、「私は大好き!」初めて発見、ヤギ汁好き派!「テレビで子ヤギが映ったら、おいしそうって思う。」ええー、なんか怖い!
あちこち聞いて回ると、7対3で苦手派優勢。
「ヤギ汁の匂いは、脂肪酸の中でも1番匂いが強い。大人の男性が1週間お風呂に入らなかった時の匂いです。」うひゃあ、そりゃあ臭そうだ!
ヤギ汁を愛してやまないウチナンチュも多く、他県では珍しいヤギ料理店が70軒以上もある。
テーブルに運ばれてきたヤギ汁は、ヨモギの下にヤギ肉がいっぱい!
まずは強烈な匂いをかぐと「ヒージャー(ヤギ)!」と嬉しいのか辛いのか不明な叫び。
スープをすすると「メエエエ!」とヤギの鳴き声。そしてヤギの肉に、臭いを気にする様子もなく、むさぼりついている。
どんな匂いですか?「足のニオイ」と言いながら自分の足をかがなくていいよ、お兄さん。
「この臭いあとに甘みがあるんですよ」だって、ホントかなあ。
苦手派が多いヤギ汁だが、新築祝いや上棟式など、お祝いの席につきものなのだそうだ。
そこで新築祝いにお邪魔すると、 ケータリング的な人が到着し、テラスの端っこに大きな鍋のヤギ汁を置く。
祝いの席に揃った家族十数名にヤギ汁について聞くと、苦手派が9人、好き派が7人。まあ半々だ。
苦手派のお父さんはヤギ汁を受け取ると匂いをかいで「うえぇ!」と苦い顔をする。
一方好き派は「いい匂い!」
「最高最高!」と大喜びで食べる好き派の前で「あぁ」とうめきながら流し込む苦手派。
同じものを食べているとは思えない。
沖縄のヤギ汁はどう生まれたのか、沖縄山羊文化振興会の平川宗隆会長に聞いてみた。
「15世紀の琉球王国時代に、中国あるいは東南アジアから食用として伝播しました。」
沖縄県民にとってヤギ汁は賛否両論あるけれど、暮らしにヤギが馴染んでいるんだね。あなたも今度沖縄に行ったら、食べてみれば?匂いをかいでみるだけでもいいかもね!