アドバンが運営するテクニカルブックは5月30日、「マネーリテラシー評価テスト」の結果を発表した。調査は2024年2月22日~2月27日、20歳以上の男女782名を対象にインターネットで行われた。
本調査では、金融行動と金融知識に関する質問のスコアでマネーリテラシーを測定した。金融行動と金融知識に関する質問は、金融広報中央委員会が公開している「金融リテラシー・マップ」の分類に基づき、テーマを独自にバランス良くピックアップしたという。調査の結果、平均は32.5点、中央値は34点だった。最頻値は18点(39人)となっている。スコア51~60点は「とても高い」、41~50点は「やや高い」、31~40点は「普通」、21~30点は「やや低い」、~20点は「とても低い」と、調査対象者のマネーリテラシーを5段階で評価した。
男性/上の年代が、評価テストのスコアがやや高い傾向
マネーリテラシーの客観評価を男女別に集計したグラフをみると、男性は「とても高い/高い」の合計が33.8%、「とても低い/低い」の合計が36.9%だった。これに対して、女性は「とても高い/高い」の合計が27.2%、「とても低い/低い」の合計が46.5%となっている。男性と女性を比較すると、男性の方がマネーリテラシーがやや高い傾向が見られた。
続いて、マネーリテラシーの客観評価を年代別に集計したグラフをみると、客観評価が高い人が最も多かったのは60代以上で36.8%、最も少なかったのは20代以上で27.3%だった。大きな差こそないが、年代が上の人の方がややスコアが高いという結果に。
スコア最上位層の9.8%が年収1,200万円以上、15.7%が年収900万円以上
マネーリテラシーの客観評価別に年収分布をまとめたところ、年収1,200万円以上が最も多いのは、客観評価が「とても高い」人(スコア最上位層)で、9.8%という結果だった。年収900万円以上が最も多いのもこの層で、15.7%となっている。
一方、年収100万円未満が最も多いのは、マネーリテラシーの客観評価が「やや低い」人で、28.3%という結果だった。なお、客観評価が「とても低い」人は、これに次ぐ24.4%となっている。
スコア最上位層の25.5%が貯蓄額2,000万円以上、47.1%が貯蓄額1,000万円以上
マネーリテラシーの客観評価別に貯蓄額分布をまとめたところ、貯蓄額2,000万円以上の人が最も多いのは、マネーリテラシーの客観評価が「とても高い」人(スコア最上位層)で25.5%だった。貯蓄額1,000万円以上が最も多いのもこの層で、47.1%となっている。
また、貯蓄額10万円未満は、マネーリテラシーの客観評価が「やや低い」人で18.1%、「とても低い」人で17.5%と高い割合だった。これら層は「わからない/答えたくない」と回答した割合も多く、それぞれ32.5% / 51.3%となっている。このように、マネーリテラシーの客観評価が高いほど、貯蓄額が多い人が増えるという傾向が見られた。年収よりもこの傾向は明確に出ており、マネーリテラシーは貯蓄額に影響しやすいといえそうだ。
マネーリテラシーが高い人ほど投資に積極的
マネーリテラシーの客観評価別に、投資に関する情報収集への取り組み状況を集計したところ、客観評価が「とても高い」人は大部分が投資に関する情報収集を行っているのに対し、「とても低い」人はほとんど行っていないという結果に。マネーリテラシーの客観評価が高いほど、投資に関する情報収集を積極的に行っていることがわかる。
続いて、実際に投資を行っているかについても集計したところ、情報収集と比べるとやや割合が低くなっているが、ほぼ同じ結果に。マネーリテラシーの客観評価が高い人ほど、積極的に投資活動を行っている人が多いことがわかった。なお、マネーリテラシーの客観評価が「普通」の人は、投資活動を「積極的に行っている/それなりに行っている」と回答した人の割合が、情報収集の約4分の3(11.3%の減少)だった。