俳優の吉沢亮が主演を務める、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(9月20日公開)の場面写真が2日に公開された。

  • 吉沢亮

この度、同作の公開日が9月20日に決定。撮影場所にもなった、原作者・五十嵐大氏の出身地・宮城県では9月13日より先行上映される。さらに6月14日~23日、中国・上海で開催される第26回上海国際映画祭 コンペティション部門への正式出品ならびに、同映画祭でのワールドプレミアが決定した。ワールドプレミアは6月21日、コンペティション部門の最高賞となる金爵賞(きんしゃくしょう)の発表は、6月22日を予定。呉美保監督が現地入りし、21日に開催されるワールドプレミアで舞台挨拶を行うほか、レッドカーペットにも登場する。

公開された場面写真は、吉沢が演じる主人公・五十嵐大の瞳が印象的なカットから、東京から故郷・宮城へと向かう車内、数年ぶりに故郷に戻ってきた大人になった大と子供のころの大が橋を渡るシーンなど、本作の空気感と大の心情が伝わるカットの数々となっている。少しぎこちない母・明子(忍足亜希子)と大の場面や、父・陽介(今井彰人)と母の愛情溢れる子供のころの家族写真など、“きこえる世界”と“きこえない世界”を行き来する大の人生を感じさせる、どこか懐かしく温かな瞬間を切り取っている。

■呉美保監督 コメント

この映画のワールドプレミアが上海国際映画祭コンペティション部門だなんて、これほどしあわせな幕開けがあるでしょうか。日本の片隅で人知れずもがきながら生きる男の子のささやかな心の機微を、アジアの、世界の、みなさまがどう受け取ってくださるのか、その反応をこの肌で感じに、さらには選ばれし新しい映画たちにも出会いに、いざ上海、行ってきます!

■徐昊辰:上海国際映画祭プログラミング・ディレクター コメント

きこえる世界、きこえない世界、そして、そこに生きている1人のコーダ。呉美保監督は、優しい視線で彼の揺れ動く心の成長を静かに見守っている。"ふたつ"の世界は、"ひとつ"になった時、きっと一番幸せに違いない。こんな素敵な作品を上海国際映画祭でワールドプレミアができるとは、最高に嬉しい!

【編集部MEMO】
『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』 を原作にした映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』。宮城県の小さな港町で暮らす五十嵐家に、男の子が生まれた。両親、祖父母は“大”と名付けて誕生を喜ぶ。ほかの家庭と少しだけ違っていたのは、父・陽介と母・明子の耳がきこえないこと。幼い大にとって、時には母の“通訳”をすることも“ふつう”の楽しい日常だった。しかし成長とともに、周囲から特別な目で見られていることに戸惑い、苛立ち、母の明るさすら疎ましく思いはじめて、冷たい態度をとることが増えていく。心を持て余したまま20歳になり、逃げるように東京へ旅立つ大。そして数年後。“きこえない世界”と“きこえる世界”のふたつの世界を行き来するなかで、帰郷したある日、記憶の底に隠れていた母への思いもかけない気持ちがあふれ出す。

(C)五十嵐大/幻冬舎 (C)2024「ぼくが生きてる、ふたつの世界」製作委員会