iPhoneでは、さまざまな場面に人工知能/AIの技術が活用されています。音声アシスタント「Siri」はその代表格で、アプリの利用頻度や起動された時間帯に基づきアプリの起動を勧めたり、履歴をもとに外出時刻を提案したり、ユーザの行動を支援します。

iPhoneには、画像から「物」を認識する機能も用意されています。内蔵カメラで捉えた画像を解析し、そこに写る被写体をおおまかに分類するなど、人工知能らしい処理を一瞬でやってのけます。

iOSに用意されている「Vision」という開発フレームワークでは、Appleが用意した画像認識モデルを利用できます。機械学習により獲得されたデータは、動物の識別が得意なもの、信号や自動車など街中の物体のデータを中心に持つものなどに分類され、アプリの用途に応じて使い分けることができます。

このiOSに用意されたAIベースの物体認識機能は、標準装備のアプリで気軽に試せます。たとえば、コントロールセンターから起動できる「拡大鏡」では、検出モードボタンをタップして画像説明をオンにすると、カメラが捉えた被写体を瞬時に解析、その名前を表示してくれます。

拡大鏡アプリで認識できるものは、犬や猫、ギターやピアノ、椅子やテーブル、ぬいぐるみ、ノートPC、スピーカー、扇風機、紙幣、硬貨、衣類などなど多数あります。重ねて置かれているものを見分けるのが苦手だったり、テレビのリモコンや照明器具など形状/大きさがまちまちなものを認識できなかったりもしますが、試してみる価値はありますよ。

  • 拡大鏡アプリの検出モードで画像説明をオンにすると、iOSに用意されたAIベースの物体認識機能を試せます