『Octane』UKスタッフによる愛車レポート。1986年 フォード・シエラRSコスワース(愛称は「コッシ―」)に乗るジェシーは、これまでタイヤに関して見て見ぬふりをしてきた。しかし、ついに具体的な行動に移すときが来た。
恥をしのんで言うが、シエラ・コスワースをスタンダード仕様に戻して以来、タイヤには何も手を加えずにきた。弁解させてもらうと、タイヤ自体はしっかりしたブリヂストンのRE002で、しかもほとんど磨耗していなかったからだ。それに、このブリヂストンはRSコスワースの妹分であるシエラ・サファイア・コスワース用のOEM仕様だった。走り込みはのんびりとしたペースで進んでいて、無理をすることもなく、あまり気にしていなかった。ところが数カ月前、古くなったタイヤはどんなに穏やかに走らせても、どんな車にもふさわしくない、ということを思い知らされた。
地元の湿地帯を走るトリップで、ラウンドアバウトを出てから直線で制限時速50マイルまで緩やかに加速していたとき、後輪がはみ出した。帰宅してからタイヤの年式を調べたところ、2012年と刻印されていた… おそらくそれが正しいのだろう。
15インチホイール用だと、まともに見える交換品を見つけるのは、言うほど簡単ではない。この車が開発された際に工場で装着されたオリジナルのダンロップD40は、数年前に姿を消した。しかし、見た目は平凡なものだった。現代のパフォーマンスタイヤは、1980年代の基準からすると過激なトレッドパターンが一般的だ。その時代の車に履かせると、私の目にはひどく見える。いずれにしても、ほとんどが大口径ホイール用だし、適正な速度定格で適切なサイズを見つけるのは難しいと思っていた。しかし、オンラインでいろいろ調べていると、理想的なものに出会うことができた。
コンチネンタルのプレミアム・コンタクト2の205/50 R15サイズは、うちのコッシーが昔履いていたD40に見た目が似ていて、ちょうどいい感じだった。定格速度は86Vで、最高速度は149mph。これはコッシーの公式最高速度にほぼ等しい。とは言っても、そこまで試すつもりもないが。私はコンチネンタルタイヤのちょっとしたファンで、何度もテストコースで試してきたし、長年にわたって何台もの車で走ってきた。なので、乗り心地、ハンドリング、グリップ、いずれも良いと確信していた。
コンチネンタル社は、私のために1セットを探し出し、地元のクイック・フィット店舗に発送してくれた。私は、コスワースから4輪を全て外した。自分の電気自動車の荷台に乗せて、リビングストン近郊のカーモンデン・センターにあるクイック・フィット・プラスまで走らせたのは皮肉なことだった。ポールと他の若い店員たちが、手際よく作業を進め、すぐにコッシーにタイヤが装着された。さて、春から夏にかけて、コッシーを走らせるのが楽しみだ。この新しいブーツを履いた古いフォードのハンドリングやフィーリングを、本気で感じてみたい。
文:Jesse Crosse