日本国内で2025年春後半から、iPhoneユーザーは手持ちのマイナンバーカードをApple Walletに追加して利用できるようになる。Appleが5月30日、日本のデジタル庁と協力して準備を進めていることを正式発表した。

  • iPhoneのマイナンバーカード対応は2025年春後半、Apple正式発表

Apple Walletの身分証明書機能を、米国外で展開するのは日本が初めて。同機能によって、現行のマイナンバーカードと同じようにコンビニエンスストアで公的証明書等を発行したり、マイナポータルアプリから行政サービスをオンラインで受けられるようになるという。病院や医療機関も対象に含まれる。

具体的な使い方としては、Apple Walletを開いて自分のマイナンバーカードを選び、iPhoneのサイドボタンをダブルクリックしてFace IDまたはTouch IDで認証。非接触IDカードリーダーに自分のiPhoneをかざすだけで、対面で身分証明書を提示できるようになる。利用場面によっては、カードリーダーでの読み取りの際に追加の認証ステップが必要になる場合があるとのこと。

なお、Apple Walletの身分証明書は、モバイルデバイスで身分証明書や運転免許証を提示する際の消費者のプライバシー保護についてガイドラインを定めているISO 18013-5シリーズと、ISO 23220シリーズの規格に対応している。

AppleのApple PayおよびAppleウォレット担当バイスプレジデント、ジェニファー・ベイリー氏のコメント

Appleウォレットの身分証明書機能の米国外への展開は、従来の物理的な財布を、簡単かつ安全で、プライベートなモバイルウォレットに置き換えるという私たちのビジョンにおいて重要なステップです。私たちは、来春の後半からAppleウォレットでマイナンバーカードを利用できるようにして、iPhoneに組み込まれたセキュリティとプライバシー保護の機能を最大限に活用しながら、身分証明書を提示するシームレスで便利な方法を日本に住むみなさんに提供することを大変嬉しく思います。

河野太郎デジタル大臣のコメント

岸田文雄総理大臣とApple社CEOティム・クック氏のリーダーシップのもと、マイナンバーカードの機能をスマートフォンへ搭載するという大胆な取組に、Apple社とともに協働していくこととなり、大変嬉しく思っています。現在、日本のIDカードであるマイナンバーカードは、1億人以上の国民のみなさまに申請いただき、様々な官民のオンラインサービスをはじめ、約6万を超えるコンビニで行政サービスを受けられるなど、日常生活で広く利用され、災害や救急でも利用できます。デジタル庁は、スマートフォンを基盤とした世界をリードする安全で便利なデジタル社会を、構築してまいります。