学研ホールディングスのグループ会社 メディカル・ケア・サービスは5月30日、『介護のことになると親子はなぜすれ違うのか ナッジでわかる親の本心 』(神戸貴子、竹林正樹、鍋山祥子 著/1,650円)をAmazon、楽天ブックスなどで発売する。
介護の悩みを話題の「ナッジ」で解決
現在、高齢社会における介護サービスや福祉支援の利用は年々増加傾向にある。しかし、それらを利用するにあたり、最大の関門となるのが親の理解だという。いくら家族といっても考えや受け取り方は人それぞれ。なかには、介護の話を切り出すと親が機嫌を悪くするので言い出しにくいという人も。
なぜ、正しいことを伝えても、相手はその通りの行動をしないのか。それは、人の脳は「自分に都合よく、解釈を歪めてしまう習性」である「認知バイアス」を持っているからだという。
本書では、8家族の事例を紹介し、それぞれの親が持つ「わかってはいるけど、できない心理(高齢者によく見られる認知バイアス)」が親子のすれ違いに関係していると解説。この認知バイアスに対して、著者3名が自らの家族介護経験と専門知識、そして「ナッジ」を用いて解説する。
ナッジとは、直訳すると「そっと後押しをする」「ひじでつつく」という意味。2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー博士が提唱した理論で、「ついそうしたくなる心理」をくすぐって直感的に望ましい行動をしたくなる仕掛けを指す。
著者は、介護サービスを提供する起業家で看護師・ケアマネジャーの神戸貴子氏、バラエティ番組でお馴染みのちくりん博士こと、津軽弁のナッジ研究者・竹林正樹氏、高齢者ケアを社会学的に考察する、福祉社会学者・鍋山祥子氏の3名。
世間で話題のナッジを使い、相手がつい行動したくなるような心理をくすぐることで、家族や親子のコミュニケーションを穏やかなものに変えていくヒントが詰まった1冊となっている。