シマノが手掛けるグラベルコンポーネント「SHIMANO GRX」のラインアップに、2x12スピードのDi2仕様の「RX825」シリーズが登場する。快適性とバイクコントロールのために洗練されたデュアルコントロールレバー、SHIMANO SHADOW RD+搭載のリアディレーラー、正確なシフティングを実現するフロントディレーラーがDi2仕様のラインアップとして追加となる。
再設計されたDi2システムは、素早く正確なシフティングとワイヤレスコックピット設計で、高いパフォーマンスと信頼性を実現。また先進的なグラベル用ドライブトレインとして、高効率の最適化された12速ギアコンビネーションと、オフロードバイクコンポーネントでの実績に裏付けされたHYPERGLIDE+テクノロジーで様々な状況下でもシームレスな変速を提供する。さらに人間工学に基づいたデザインで、快適さとグリップを高い次元で両立しており、すっきりとしたコックピットデザインと高いカスタマイズ性が実現している。
電動変速となった 2x12スピードの ギアコンビネーション
「RX825」シリーズは、Di2シフトレバー、サテライトスイッチ、フロントディレーラー、リアディレーラーを既存のRX820クランクセット、カセット、ブレーキと組み合わせることで、ライダーはDi2変速のパフォーマンスと2x12スピードのグラベルライドに最適な歯数構成を体感できる。
メカニカル変速のRX820シリーズと同様に、ライダーは48/31Tのクランクを選択が可能。同様に、カセットは11-34Tまたは11-36Tのいずれかを選ぶことで、使えるギア比が多く、様々なフィールドでも快適なケイデンスでのペダリングが可能となる。
GRX RX825 Di2 対応ギアコンビネーション:
- 48/31T RX820 クランク
- 11-34T R9200 , R8100 , R7100 カセット
- 11-36T HG710 カセット
上記の組み合わせはいずれも、シマノの最新カーボン製グラベルホイールWH-RX880が使用可能。25mmのリム内幅とハイエンドモデルに搭載される”DIRECT ENGAGEMENT”のフリーハブを備えたRX880ホイールは、どんなに遠く、険しい道のりでも、目的地までライダーをサポートし続ける。
グラベルライドでのDi2
12スピードのDURA-ACE、ULTEGRA、SHIMANO 105 Di2と同様に、新しいGRX Di2はフロントとリアのディレーラーに長時間安定した電力を供給する内蔵バッテリーと直接接続し、従来のDi2仕様で必要だったジャンクションは不要。また、バッテリーはフレームに内蔵されるため、グラベルライダーが遭遇する様々な路面や気候の変化にも安心して使用できる。
Di2 ワイヤレスコックピット
グラベルライドに求められる、ライドに集中できる「Di2 ワイヤレスコックピット」を提供。デュアルコントロールレバーには、リブ状のテクスチャーを備えたブラケットフードと滑り止め加工を施したブレーキレバーを採用。路面の振動が激しいライドでも安全性を提供。前モデルGRX RX815 Di2のデュアルコントロールレバーと同様に、ブラケット先端の内側に3つめのDi2ボタンを配置。安全なブラケットポジションから操作が可能となっている。また変速スイッチとしてはもちろん、サイクルコンピューターの画面スクロール等対応アクセサリーの操作にも使用できる仕様だ。
デュアルコントロールレバーはフレアハンドルに最適化
デュアルコントロールレバーは、グラベルライドに最適化されたボディ形状を採用し、フレアハンドルバーとのシームレスな統合を実現。丸みを帯びた形状により、ハンドルバーとブラケット間で手の移動がスムーズ、かつ、手のひらの位置にフラットなスペースが生まれることで、手のひらへの圧迫感を軽減する。
ST-RX825 油圧ディスクブレーキ デュアルコントロールレバー
- ワイヤレスDi2接続
- 2x12スピード デュアルコントロールレバー
- グラベルライドに特化したレバーとブラケット形状
- フレアしたドロップハンドルに最適化
- 滑り止め加工が施されたブレーキレバー
- E-TUBE PROJECT Cyclistアプリでカスタマイズ可能な 3つのボタン
- ボタン電池使用(2xCR1632) 交換時期3.5~4年
- 重量:415g/ペア
オプション:Di2 サテライトスイッチ
新しいGRX Di2では、サテライトスイッチの使用が可能。ハンドルのフラット部、下ハンドル、エアロバー、いずれのポジションであっても、サテライトスイッチを配置することで、ライダーは体勢を変えることなくライディングに集中できる。GRX Di2デュアルコントロールレバーの3つめのボタンと同様に、これらのサテライトスイッチには、変速、互換性のあるライトやサイクルコンピューターの操作、ワークアウト中のラップボタンとしての機能を割り当てることが可能となる。
SHIMANO SHADOW RD+ リアディレーラー
RX825リアディレーラーには、SHIMANO SHADOW RD+テクノロジーが搭載。SHIMANO SHADOW RD+はスタビライザーのオン/オフスイッチを備えており、ライド時にオンにすることで、ドライブトレインに張力がかかり、荒れた路面でもチェーンのバタつきを抑え、より静かな乗り心地とより正確なシフトが可能となる。
リアディレーラーはワイヤレス通信機能を持ち、シフトレバー、互換性のあるサイクルコンピューター、およびE-TUBE PROJECT Cyclistとの接続を行う。また、システムの充電ポートとファンクションボタンも搭載。ディレーラーのバッテリー残量の確認や、Bluetooth経由でのペアリング、調整モードへの切り替え等もリアディレーラーで操作可能だ。
RD-RX825 リアディレーラー
- SHIMANO SHADOWRD+ チェーンスタビライザー
- ワイヤレス通信に対応。充電ポート付き
- 12スピード
- 11-34Tと11-36Tのカセットスプロケットに対応
- 重量:310g
タイヤクリアランスを確保
これまでのGRXシリーズと同様に、RX825シリーズでは、ロード用FDに対し+2.5mmチェーンラインを採用しタイヤクリアランスを確保。より幅広いタイヤの使用や高い泥抜け性能を発揮する。
FD-RX825フロントディレーラー
- チェーンライン+2.5mm(ロード用FD比)
- ワイドタイヤに対応するクリアランス
- 2x12-スピード
- 重量:142g
「E-TUBE PROJECT」でのカスタマイズ と新機能「FRONT SHIFT NEXT」
「E-TUBE PROJECT Cyclist」アプリでは、マルチシフト(多段変速)の設定や、シフトボタンへの機能設定、シンクロナイズドシフトやセミシンクロナイズドシフトのカスタマイズ等、様々なモードの設定を行うことができる。
「FRONT SHIFT NEXT」はこれまで2つのボタンで操作をしていたフロント変速を、1つのボタンで実行できる12スピードのDi2製品に搭載された新機能だ。「E-TUBE PROJECT Cyclist」アプリとDi2のファームウェアを 最新版にアップデートすることで、「E-TUBE PROJECT Cyclist」アプリから設定が可能。
この新しいファームウェアは、GRX RX825だけでなく、シマノのロード12スピードDi2シリーズとも互換性がある。新機能「FRONT SHIFT NEXT」によって、シンプルで直感的なシフト操作が可能になり、レース中に、より迅速な意思決定が可能だ。また「FRONT SHIFT NEXT」は、フロント変速の操作を容易にするだけでなく、カスタマイズ性が広がる。これまでフロント変速に使用していたスイッチのひとつを、ペアリングされたサイクルコンピューターの操作、互換性のあるライトのオン/オフ、または「ラップ」ボタンを押すといったアクセサリーの操作に設定することで、レバーから手を離すことなく安全な操作が可能となるという。