富山県は、欅平駅(黒部峡谷鉄道)と黒部ダムを結ぶ「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放・旅行商品化を2025年以降に延期すると発表した。

  • 「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放・旅行商品化開始は2025年以降に

「黒部宇奈月キャニオンルート」は、60年以上前に黒部川第三発電所・第四発電所の建設で整備された工事用ルート。これまで一般開放されていなかったが、2018年に関西電力と富山県が締結した協定により、黒部峡谷から黒部ダムに至る新たな観光ルートとして一般開放が決まっている。

当初、2024年1月29日に旅行商品の販売を開始し、6月30日から一般開放する予定だったが、1月1日に発生した「令和6年能登半島地震」による落石で黒部峡谷鉄道の鐘釣橋が損傷。黒部峡谷鉄道の全線開通時期が不明のため、一旦は一般開放の予定日を変更せず、旅行商品の販売開始を延期していた。その後、黒部峡谷鉄道が10月1日頃の全線開通をめざすと発表したことを受け、富山県は今年3月、「黒部宇奈月キャニオンルート」の開始も同時期に延期すると発表していた。

しかし今回、黒部峡谷鉄道が「雪解け以降の詳細な現地調査の結果、落石防止対策等の復旧工事が当初の見込み以上に時間を要し、今シーズンは全線開通できない」と発表したことを受け、富山県も年内開始を断念した。2025年以降の一般開放・旅行商品化開始日と旅行商品の販売開始日について、黒部峡谷鉄道の全線開通時期が示された段階で改めて決定するとしている。