吾峠呼世晴氏原作の『鬼滅の刃』は、人間と鬼の戦いを題材にしたダークファンタジー作品です。2019年からテレビアニメの放送が始まり、2020年公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は大ヒットを記録しました。

同作の主役は、上限の鬼・猗窩座と戦い惜しくも戦死した炎柱・煉獄杏寿郎。その強烈な生きざまで主人公・竈門炭治郎の成長に多大な影響を与えた煉獄杏寿郎は、座右の銘に使いたくなるような名言や、思わず口にしたくなる名セリフの数々も残しています。

そこで今回は、マイナビニュース会員の男女308名を対象に煉獄杏寿郎の名言についてアンケートを実施。特に印象に残った名言・名セリフをランキング形式で紹介します。

煉獄杏寿郎の名言ランキング

マイナビニュース会員を対象に煉獄杏寿郎の名言についてアンケートを実施したところ、ランキングは以下のようになりました。

1位「胸を張って生きろ」(9.8%)
1位「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」(9.8%)
3位「うまい!うまい!うまい!」(8.6%)
3位「俺は俺の責務を全うする!!ここにいる者は誰も死なせない!!」(8.6%)
5位「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ 歯を食いしばって前を向け」(7.8%)
6位「どんな道を歩んでもお前は立派な人間になる! 燃えるような情熱を胸に頑張ろう! 頑張って生きて行こう! 寂しくとも!」(7.0%)
7位「柱ならば後輩の盾となるのは当然だ 柱ならば誰であっても同じことをする 若い芽は摘ませない」(5.7%)
8位「よもやよもやだ 柱として不甲斐なし!! 穴があったら入りたい!!」(5.3%)
8位「強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」(5.3%)
10位「そんなことで俺の情熱は無くならない! 心の炎が消えることはない! 俺は決して挫けない」(4.5%)
11位「そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ 俺は信じる 君たちを信じる」(4.1%)
11位「母上 俺はちゃんとやれただろうか やるべきこと 果たすべきことを全うできましたか?」(4.1%)
11位「呼吸を極めれば様々なことができるようになる 何でもできるわけではないが 昨日の自分より確実に強い自分になれる」(4.1%)
14位「母上 俺の方こそ 貴女のような人に生んでもらえて光栄だった」(3.7%)
15位「この煉獄の赫き炎刀がお前を骨まで焼き尽くす!!」(2.0%)

座右の銘に使いたい! 煉獄杏寿郎の名ゼリフ一覧

ここからはランクインした名言や名セリフを詳しく説明していきます。

「胸を張って生きろ」

鬼狩りでありながら、鬼の妹を連れている炭治郎に伝えた名言です。無限列車で鬼と戦い乗客を守る禰豆子の姿を見た煉獄は、彼女を鬼殺隊の一員として認めました。

家族を救うためとはいえ、隊律に違反する後ろめたさを感じていたであろう炭治郎。そんな彼にとって、柱である煉獄のこの言葉はとても温かく心強いものとなりました。シンプルで真っすぐなセリフだからこそ、多くの読者の心にも響き記憶に残ったことでしょう。

この名言を選んだ理由

・「シンプルでインパクトのあるワードが素敵ですね」(49歳女性)
・「私に対しても言ってくれる人がいればと思います」(60歳女性)
・「シンプルなセリフだが、ストレートに共感できて印象に残るから」(47歳男性)
・「何気なく見ていたが短いながらもその通りだと感じ、しばしこの言葉が頭から離れなかったので」(57歳男性)
・「自分に自信を持って進めという意味だと思う」(71歳女性)

「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」

鍛錬を続けてさらに強くなるために、老いや死とは無縁の鬼にならないかと誘う上限の鬼・猗窩座に対して、迷いなく答えた言葉です。

老いや衰えはマイナスなイメージが持たれがちですが、いつかは皆、例外なく命の終わりを迎えます。しかし、だからこそ、人間は命の尊さや生きる喜びを感じられるのでしょう。生物として弱くなっていくことは悪いことではありません。死への不安や恐怖を和らげてくれる名言です。

この名言を選んだ理由

・「人間の尊厳を端的によく表していると思いました」(65歳男性)
・「深く味わいのある言葉だと感銘を受けた」(42歳女性)
・「このセリフに目頭が熱くなりました」(59歳男性)
・「人生の真理をついていると思うから」(35歳女性)

「うまい! うまい! うまい!」

無限列車で駅弁を食べる煉獄の素直な感情が詰まった名セリフです。ストレートな言葉が気持ちよく、思わずマネして言いたくなる方もいるのではないでしょうか。

声のボリュームはさておき、この言葉からはおいしいものを食べたときの感動や喜びが感じられて、好感が持てます。緊迫した戦闘時とのギャップも相まって、煉獄の個性が際立つワンシーンとなりました。

この名言を選んだ理由

・「おもしろくて笑えた」(42歳男性)
・「印象深く記憶に残るから」(34歳女性)
・「ほんとうにおいしそうだから。そして日常生活で使用したくなる」(47歳女性)

「俺は俺の責務を全うする!! ここにいる者は誰も死なせない!!」

猗窩座との戦いで重傷を負いながらもなお、乗客や炭治郎たちを守ろうとする煉獄の名言です。自分の命さえ危ういときに、周りの人を守るために動ける人はなかなかいません。それでも煉獄は自分の責任を果たすため、一歩も引きませんでした。

煉獄のように命懸けで戦って誰かを守る機会はありませんが、日常の中でも自分にできること、自分がやるべきことに全力を注ごうと思わせてくれる名言です。

この名言を選んだ理由

・「煉獄さんの正義感や責任感など、強い情熱を感じたので」(36歳男性)
・「煉獄という男がわかるセリフだから」(52歳男性)
・「それぞれの場所で頑張ること。それがみんなを守ることだととらえました。この言葉で私は、背中を押されたような気がしました」(59歳男性)

「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ 歯を食いしばって前を向け」

死を悟った煉獄が遺言として炭治郎たちに遺した名言です。のちに炭治郎は、堕姫戦や無惨戦で煉獄の「心を燃やせ」という言葉を思い出し、自らを奮い立たせています。

生きていれば、物事がうまくいかず打ちひしがれるときもあるでしょう。挫折や失敗続きで、立ち止まりたくなることもあるかもしれません。そんなときに煉獄のこの言葉を思い出せば、炭治郎のようにもう一歩踏み出す勇気をもらえるはず。炎柱の煉獄らしい名言です。

この名言を選んだ理由

・「一番好きな場面で印象に残ってる」(57歳男性)
・「正に一生心に残る名言だと思います」(58歳男性)

「どんな道を歩んでもお前は立派な人間になる! 燃えるような情熱を胸に頑張ろう! 頑張って生きて行こう! 寂しくとも!」

下弦の鬼である魘夢(えんむ)に見せられた夢の中で、弟の千寿郎に伝えた言葉です。剣士の資質がなく、炎柱の継承を途絶えさせてしまう責任を感じる千寿郎にとって、これほど嬉しい言葉はないでしょう。

夢をつかめる人はほんの一握りです。残念ながら努力が実らず、挫折や絶望で目の前が真っ暗になることもあるでしょう。この名言は、そんな不安を抱える心にそっと寄り添ってくれます。腐らずに熱意を持って新しい道で頑張ろうと、前向きな気持ちになれるはず。

この名言を選んだ理由

・「人生の哲学的な言葉でやる気をうみだす」(51歳男性)
・「ストレートに響く言葉だから」(34歳男性)

「柱ならば後輩の盾となるのは当然だ 柱ならば誰であっても同じことをする 若い芽は摘ませない」

煉獄に守られる形で生き延びた炭治郎たちに、責任を感じさせないよう配慮する優しさが感じられる名言です。後輩を守る立場にあると頭で理解できていても、いざ死の可能性を感じると躊躇するのが自然でしょう。

しかし、言葉通り一切迷わず当たり前のように炭治郎たちを守り抜いた煉獄。炎の呼吸を代々継承する煉獄家に生まれた彼だからこそ、次の世代につなぎ託すことに人一倍希望を見出しているのかもしれません。

この名言を選んだ理由

・「自分を犠牲にしてでも後輩を助ける姿に感動」(51歳男性)
・「映画の名場面であり、一番感動したシーンだから」(48歳男性)

「よもやよもやだ 柱として不甲斐なし!! 穴があったら入りたい!!」

魘夢による眠りから覚めた煉獄が最初に口にした名言です。柱であるにもかかわらず、鬼の術にかかってしまった失態を真摯に受け止め、深く反省しています。

失敗は誰にでもあります。大切なのは、失敗にどう対処するかです。煉獄は自省後すぐに対策を仲間に伝達し、自身が取るべき行動に移っていました。このシーンを思い出すと、失敗を反省したらいつまでも引きずらず、挽回のための行動を起こすことが大切だと気付かされます。

この名言を選んだ理由

・「当時とても人気のセリフでマネする人も多かったので」(61歳男性)
・「煉獄らしい実直な性格が表れていて、らしいセリフだなと思った」(47歳男性)

「強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」

弱者を極端に嫌い、強さを追い求める猗窩座に対して言った名言です。表情を変えず淡々と話す様子からは、弱者を排除するために力を振るう猗窩座への怒りや嫌悪感が感じられます。

肉体的には弱くても、絶対に挫けない精神力や、大切な人を守ろうとする優しい心を持つ人間は強いです。猗窩座に認められるほどの強さを誇る煉獄が言うからこそ、言葉の重みが増した名言と言えるでしょう。

この名言を選んだ理由

・「おっしゃる通りだし、弱い心の自分を叱咤激励してくれたから」(55歳女性)
・「共感できるような言葉だから」(54歳男性)

「そんなことで俺の情熱は無くならない! 心の炎が消えることはない! 俺は決して挫けない」

夢の中で煉獄は、父に炎柱になったと報告しますが「どうでもいい」と突き放されてしまうのでした。それでも心折れることなく、前を向き続ける強さが表れた名言となっています。

尊敬する人や目標とする人からの無関心な態度は、ひどくつらいものです。煉獄も内心では悲しみを感じたことでしょう。このセリフは千寿郎に言っていますが、同時に自分自身にも言い聞かせていたのかもしれません。つらいときは己で己を鼓舞することも大切だと気づかせてくれる名言です。

この名言を選んだ理由

・「戦いのとき、励みになる言葉だから」(55歳男性)

煉獄杏寿郎とは

煉獄杏寿郎は鬼殺隊で炎柱を務めた剣士で、正義感が強く裏表のない人物です。炎の呼吸を継承する煉獄家の長男として生まれ、当時炎柱を務めていた父から熱心な指導を受けていました。しかし、父が己の無力さに絶望し柱を退いた後は、独学で鍛錬を積み新たな炎柱として認められる実力を付けています。

どんな境遇でも決して歪まない強靭な精神力の持ち主で、市民や後輩を守るためなら自身が傷つくことも一切ためらいません。剣士としての実力はもちろんですが、状況把握能力が高く協調性もあるため、現場を指揮して先導する力も優れています。

猗窩座との戦いで命を落としますが、死してなお多くの仲間や隊士たちの心を支えた影響力の大きい人物です。

アニメ・漫画『鬼滅の刃』とは

原作漫画『鬼滅の刃』は、2016~2020年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載されたダークファンタジー作品で、単行本累計発行部数が1億5,000万部を超える人気作です。

鬼に家族を奪われた炭治郎が、鬼にされた妹の禰豆子を人間に戻すため戦う様子を描いた同作は、展開や設定がわかりやすく、個性豊かなキャラが幅広い年齢のファンに支持されています。

2019年のTVアニメ化が、2020年に映画化がされると一気にその人気に火がつきました。シリアスな場面も多々ありますが、アニメーションでコミカルさが強調されたことも爆発的な人気の要因となっているでしょう。

「心を燃やせ」だけじゃない! 煉獄杏寿郎の名セリフを紹介しました

『鬼滅の刃』に登場する炎柱・煉獄杏寿郎が残した名言は作品の枠を越え、多くの読者と視聴者に生きる勇気を与えてくれました。今回1位に選ばれた「胸を張って生きろ」という言葉から力をもらい、前向きになれた方も大勢いるのではないでしょうか。

「うまい! うまい!」はもはや「迷言」とも言えますが、人柄がよく表れた煉獄らしい名セリフです。心の中の情熱が消えそうになったとき、煉獄が残した優しくて熱い名セリフを思い出せば、炭治郎のように心を燃やしてもうひと踏ん張りできるでしょう。

調査時期: 2024年5月23日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 男女合計308人(男性:224人、女性:84人)
調査方法: インターネットログイン式アンケート

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