だが大阪のオカンの口癖はそれだけではない!今回も他の地域では聞いたことがないような、ディープな口癖を紹介しよう。
まずは、おかんが寝る時の定番フレーズ。
一般的には「おやすみ」と言うものだ。しかし、大阪のオカンは違う。
「もう寝るわ」
これが大阪流なのだ。「これ以上話しかけんといてね」という意味が込められているそうだ。
他県民には逆に冷たいように聞こえるが、実は家族を想う愛情表現らしい。これについての大阪のオトンの解説がわかりやすい。
「家内の奥ゆかしさというか、家族に対する愛情かな。ちょっと寂しいかもしれんけど、おかんは先に寝るよと。それでもあんたらは大丈夫かと心配してくれてる」
ちょっと変わった言い回しだが、大阪の家庭では愛情を感じる言い方なのだ。
「アレってよ」
「アレどこ行った?」
「アレやんかアレ」
会話の端々に出てくる「アレ」が出てきて、それで話が通じるというから不思議だ。
「わからへんかったら大阪で生きられへん。」とまでオカンは言う。
「オカンやからわかるんですよ。遺伝子が一緒やから、思考回路が同じなんです。だから、おかんの言いたいことを汲み取って、2個目の『アレ』ぐらいでわかる」
と説明する。なんとも不思議な感覚だ。
「明日、アレ行きたいねんけど、付き合って」
娘さんの答えは、
「焼肉? 先週から焼肉の話してたから、お母さんがそう言うてるのがわかる」
見事正解!親子の絆、恐るべしだ。
夫婦でも同様の問題に挑戦。先日テレビを買ったという結婚26年のなにわ夫婦だ。
「あのテレビ、アレ見られへんねんけど。アレ見られへんでアレ。見れるって言うてたのに」
旦那さんの答えは、「TVerです」
これまた正解!奥様いわく、
「結婚2年目でわからんかったら、多分無理。コイツあかんなってなると思いますよ」
夫婦円満の秘訣は「アレ」を理解し合うことだったのか。
「アレ」「もう寝るわ」など、大阪のオカンの口癖は他の地域の人には意味不明かもしれない。でも、それこそが家族を結ぶ特別な言葉。大阪の家庭では、愛情たっぷりのオカン語録として親しまれているのだ。
みなさんの家庭にも、家族だけの言葉があるのではないだろうか。大阪府民に負けないぐらい濃い愛情表現がきっとあるはず。
言葉が違っても、家族を大切に想う気持ちに地域差はない。家族だけに通じる愛情表現を大事にしてね!