アーティスト、アパレルブランドオーナーの“二刀流”で活動している平野莉玖、25歳。幼い頃からダンススクールに通い、その後ラッパーを志した平野は小学5年生でソロアーティストとしてさまざまなステージに参加し、中学2年生でミニアルバムをリリースして早くも夢をつかんだ。
しかし、中学校を卒業した2014年にアーティスト活動を停止。その数年後には音楽ではなく、アパレル業界に進出。2020年、21歳のときにアパレル会社を設立、展開するブランド「RKS RICKY(リクスリッキー)」ではデザインも手がけるように。21年にはアーティスト活動復帰を発表し、復帰後初となるシングルを23年12月に発売。若くして目まぐるしい日々を送る平野にインタビューを敢行。活動への思いを聞いた。
「自分で1から作り上げたい」 ブランド立ち上げ時の思い
――5月3日に行われた「Rakuten GirlsAward 2024 SPRING/SUMMER」に出演されました。自身がモデルとしてランウェイを歩くのは今回が初めてだとか。
初めてでしたが、めちゃくちゃ楽しかったです! お客さんも盛り上がっていましたし、生配信もされていると聞いたのでカメラも意識しました。難しかったけど楽しく歩けたと思います。今回のランウェイではコンセプトがあったので、笑顔を封印してクールな表情で歩きました。でも最後は楽しくなってしまって、ちょっと笑ってしまいました(笑)。
――2020年にブランド「RKS RICKY」を立ち上げました。きっかけを教えて下さい。
きっかけは些細なことで、何か自分で1から作り上げたいという気持ちが湧いてきて、自分は何が好きなんだろうと考えた時に「洋服好きだな」と思ったので、「じゃあやっちゃえ!」って。その時の決断力と行動力だけで立ち上げました。
――ファッションに興味を持つようになったのはいつ頃ですか?
中学生くらいですね。その頃、好きなアーティスト、ラッパーさんが多かったのですが、その方たちを見て「かっこいいな」と。ラッパーさんのファッションにも注目するようになって、大きな影響を受けました。そこからずっと好きで、それがブランド立ち上げにもつながったと思います。
――「好き」という気持ちで実際に行動を起こすのはすばらしいですね。
行動力には自信があるんです。昔から行動力はあるほうだと思っていて、決断力と行動力だけでやってきた、みたいな(笑)。気持ちがあったらすぐに動き出す人間でした。
――アパレルブランドオーナーのやりがいは?
うちは基本的にオンラインショップでアイテムを販売していますが、定期的に地方でポップアップストアを開いています。その時にお客さんが集まってきてくれて、さらに服に対してリクエストもしてくれる。それに応えて喜んでくれた姿を見ると、やりがいがあるなと感じています。接客も自分でやるのですが、楽しいです。接客のバイト経験はまったくないのですが、行動力だけで突き進んでいるのでやったことないことも積極的にやります。
――ブランドの将来設計図をどのように描いていますか?
今の目標は「街中で自分のブランドを着ている子を見つける」ことです。まだ1度も遭遇したことがないので、いつか自分が作った服を街中で自然と見かけるようになったら、もう立派なブランドになったなと自信がつくと思うので。それが今の目標です。
歌手活動も再開「誰かの心を動かせるアーティストになりたい」
――アーティストとしては2014年に活動を停止し、2021年に再開されました。復帰の理由は?
アーティスト活動を停止してからアパレルをやり始めましたが、音楽との接点もいろいろ生まれていったんです。それで小学5年生から中学3年生までラッパーとして活動していた思い出がいろいろと蘇ってきて…。その時にやっぱりもう一度、音楽で人の心を動かしたいと思いました。そう思えたのはBANTY FOOTさんというレゲエアーティストの存在があります。EXPRESSさんとフューチャリングした楽曲「交差点」を聞いたとき、立ち止まっていても意味がないなと思い、アーティスト復帰への背中を押されました。BANTY FOOTさんに心を動かされたように、自分も誰かの心を動かせるアーティストになりたいと思っています。
――アーティストとアパレルブランドオーナーの“二足のわらじ”は大変ですか?
正直言うと大変ですね。アパレルブランドのデザインも手がけるのですが、最近はアーティスト活動が忙しくなってきていて、デザインする時間がなくてモヤモヤする部分があります。でも、アパレル会社には信頼できる仲間たちがいるので、スタッフさんたちに任せてアーティスト活動に専念できる環境を作っています。その都度、そのタイミングで臨機応変にやっていきたいなと思っています。
1999年3月1日生まれ、名古屋出身。幼少期からダンススクールに通い、兄弟でダンスユニットを結成。小学5年生からソロのラッパーとして活動をはじめ、さまざまなライブに参加する。中学校卒業と当時にアーティスト活動も停止。2020年にアパレルブランド「RKS RICKY」と立ち上げ、翌年にはアーティストとしても復活する。現在アパレルや音楽など、さまざまな分野で活動する。