米NVIDIAが5月22日(現地時間)に発表した同社2025年度第1四半期(2024年2月~4月)決算は、売上高・利益とも過去最高を更新し、ガイダンスを含め市場予想を上回った。AI向け半導体の圧倒的なシェアを背景に、データセンター事業の売上高が前年同期比で427%増加した。ゲーミング&AI PC事業は同18%増だった。
同社は1株を10株に分割すると発表した。NVIDIA株保有者は6月7日の取引終了後に、1株につき9株を受け取る。分割調整後の取引は6月10日に開始される。
2〜4月期の売上高は260億4400万ドル(前年同期比262%増)。純利益はGAAPベースで148億8100万ドル(同628%増)、1株利益は5.98ドル。非GAAPでは、純利益が152億3800万ドル(同462%増)、1株利益は6.12ドル。市場の予想平均は、売上高246億5000万ドル、1株利益5.59ドル(非GAAP)だった。
事業部門別の売上高は以下の通り。
- データセンター:売上高226億ドル(前年同期比427%増)
- ゲーミング&AI PC:売上高26億ドル(前年同期比18%増)
- プロフェッショナル・ビジュアライゼーション:売上高4億2700万ドル(前年同期比45%増)
- オートモーティブ&ロボティクス:売上高3億2900万ドル(前年同期比11%増)
NVIDIAの決算は、投資家にとって、バブルの指摘もあるAIブームの強さを測る手段となっている。2〜4月期の好調な決算はNVIDIAのAI向け半導体に対する需要が依然として強いことを示す。「データセンター事業の成長は、Hopperプラットフォームを用いた生成AIのトレーニングおよび推論に対する旺盛かつ加速する需要に後押しされた」。NVIDIAによると、Metaは大規模言語モデル「Lama 3」のトレーニングに24,000個のH100 GPUを用いた。
大規模なクラウドプロバイダーがデータセンター収益の大きな部分を占めているが、AI向け半導体への強い需要は、消費者向けインターネット企業、企業、ソブリンAI、自動車、ヘルスケアなどに拡大している。そして今年後半から、新アーキテクチャ「Blackwell」からの収益も見込まれる。
2025年度第2四半期(2024年5〜7月)のガイダンスは売上高280億ドル(±2%)。アナリストの予想は266億1000万ドルだった。