6月21日公開の映画『九十歳。何がめでたい』の完成披露舞台あいさつが21日、都内で行われ、草笛光子、唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、LiLiCo、真矢ミキ、前田哲監督が出席した。

  • 左から前田哲監督、藤間爽子、真矢ミキ、草笛光子、唐沢寿明、片岡千之助、LiLiCo

直木賞をはじめ数々の賞を受賞し、昨年の11月5日に100歳を迎えた作家・佐藤愛子のベストセラーエッセイ集『九十歳。何がめでたい』を、『老後の資金がありません!』の前田哲監督が実写映画化した本作。2016年5月まで1年に渡り「女性セブン」(小学館)に連載され、90歳を迎えヘトヘトになった作家自身の日々の暮らしと世の中への怒り、戸惑いを綴り、書籍化されるや老いと現代社会に対する歯に衣着せぬ物言いと独特のユーモアで、たちまち社会現象となった。そんな同エッセイを映画化した本作で主演の草笛光子が90歳の作家に扮し、老後の諸問題をユーモアを交えて描く。

完成披露試写会が行われたこの日は試写会前に舞台あいさつが行われ、主演の草笛はじめ唐沢寿明らキャスト陣と前田監督が登場。劇中で佐藤愛子役を演じた主演の草笛が「皆さん今日はようこそお出でくださいました。素晴らしい会に座らせていただいたこと、本当に幸せだと思っています。皆さんも幸せいっぱいで本を読んでいただいてありがとうございます」とあいさつ。仕事も家庭も上手く行かず愛子先生にエッセイの企画を持ち込む昭和気質の編集者を演じた唐沢は「本日はこんなにたくさんの方々に来ていただきまして本当にありがとうございます」と観客に感謝しながらマイクを顔にぶつけて「こんな感じでやっていました(笑)」と会場の笑いを誘った。

登壇者のあいさつが一通り終わった後に、観客の悩みにズバリと答えるお悩み相談のコーナーも実施。51歳の女性による「今までの人生の中で1番めでたかったことは?」という質問に真矢は「宝塚に入ること、それから俳優になることっていうこの2つの職業が1番キツイと思うって中学の時に言ってました。1番遠い世界と言っていた記憶があるんですけど、両方ともやっている私自身がおめでたいと思っています」と回答。

また、52歳の女性による「子どもたちが巣立っていき、主人と2人っきりになるのが今から不安です。熟年離婚もありでしょうか?」という質問に草笛は「私はまだ離婚をしてないんですよ。まだ試してガッテンじゃないので良く分かりません」と明かしつつ、「まあこうしてお話をしている中に分かっていくかもしれませんね。そういうお顔が並んでいます」と他のキャストによる回答が気になっている様子。すると隣にいた唐沢が「お子さんが出来る前は2人だけだったからどんな気持ちで2人でいたのかを思い返せばね。お子さんが巣立って2人っきりになった時に熟年離婚を考えるのはどうなんだろう。変じゃないですかね。やっと2人っきりになれたんだったら一緒に何か出来ることを考えればいいのにね」と熟年離婚に否定的な見解を示して「お互い努力しないとね。あっちが悪いこっちが悪いと言っていると上手くいかないのでしっかりと向き合って話し合いをして2人で出来ることを見つけていく。あとは30秒ぐらい目と目を見つめ合うとかね。多分持たないと思いますが(笑)」と答えた。

一方のLiLiCoは「自分が離婚したいと思ったら誰かのために自分の人生を犠牲にする必要はないと思います」とあっさりとした答えも、「まだお子さんが巣立ってないのに今から心配してもしょうがないと思います。1回チューをしてみるとか久しぶりにハグをしてみるとか、日本は政治、教育、夫婦、カップル何でもそうなんですが、コミュニケーション不足からどんどん割れて行くので、ちゃんと会話をするのが1番大事。いっぱい会話してください。そこでダメだったら別れればいいんじゃないんですかね」とコミュニケーションの大切さを説いていた。映画『九十歳。何がめでたい』は、6月21日より全国公開。