阪急電鉄は21日、座席指定サービス「PRiVACE(プライベース)」を7月21日から運行開始すると発表した。京都線の特急・通勤特急・準特急を対象に、導入当初は毎時2~3本の頻度で「PRiVACE」のサービスを提供。その後も編成を増備し、2025年頃、毎時4~6本に拡大予定としている。

  • 「PRiVACE」車両を連結した阪急電鉄の新型特急車両2300系(4月16日の報道内覧会にて撮影)

「PRiVACE」は京都線に導入さる新型特急車両2300系と、京都線でおもに特急系車両として運行される9300系(一部編成)の大阪方から4両目に設定。京都河原町~大阪梅田間で運行され、乗車区間の運賃に加え、一乗車あたり500円(一律)の利用料金が必要となる。

サービス開始当初の運行頻度は毎時2~3本程度。平日は朝および夕夜間の準特急・通勤特急と日中時間帯の特急、土休日はおもに朝の準特急と日中時間帯の特急を対象に「PRiVACE」を設定する。一例として、大阪梅田駅では平日朝の6~7時台に発車する準特急4本、8時台に発車する通勤特急1本で「PRiVACE」のサービスを提供。平日9~16時台に毎時2~3本の特急で「PRiVACE」のサービスを提供し、おおむね20~40分おきに大阪梅田駅を発車する。平日の17時台以降、再び準特急に「PRiVACE」が設定され、21時台まで毎時2~3本の頻度で運行される。

  • 「PRiVACE」車両の外観

  • 「PRiVACE」車両の客室内

  • 平日は朝および夕夜間の準特急・通勤特急、日中時間帯の特急で「PRiVACE」のサービスを提供

  • 京都河原町~大阪梅田間の特急・通勤特急・準特急停車駅から「PRiVACE」を利用できる

京都線の準特急は、京都河原町~大阪梅田間で途中の烏丸駅、大宮駅、西院駅、桂駅、長岡天神駅、高槻市駅、茨木市駅、淡路駅、十三駅に停車。これらの駅が「PRiVACE」設定車両の停車駅となる。京都線の特急は準特急停車駅のうち大宮駅と西院駅を通過。通勤特急は準特急停車駅のうち淡路駅のみ通過する。

座席指定券(一律500円)は「PRiVACE」ウェブサイトにて、乗車日の14日前から予約可能。会員登録した利用者へ、お得な「PRiVACEポイント」を付与する。空席があれば、車内でアテンダントから座席指定券を購入することも可能。「PRiVACE」車両に専属のアテンダントが乗務し、座席への案内等を行う。障がい者・高齢者らを適切に案内するため、ミライロが主催するユニバーサルマナー検定も受講しているとのこと。

  • 「PRiVACE」のアテンダントが着用する制服イメージも公開された

なお、「PRiVACE」のサービスにおいて、走行にかかる電力をすべて(実質的に100%)再生可能エネルギーで賄うほか、車いすスペースに隣接する座席を車いす・ベビーカー利用者の優先席とし、こどもたちも安心して乗車できるポータブルチェアを導入するなど、SDGsの達成に向けたさまざまな取組みも行うとしている。