映画『鬼平犯科帳 血闘』の公開御礼舞台挨拶が20日、東京・有楽町の丸の内ピカデリー2で開催された。
登壇したのは、若き日の鬼平・長谷川銕三郎を演じた市川染五郎、少女時代のおまさを演じた中島瑠菜、そしてテレビスペシャル『鬼平犯科帳 本所・桜屋敷』に出演し、平蔵の親友・岸井左馬之助の青年時代を演じた阿佐辰美、左馬之助がかつて恋心を抱いたおふさの少女時代を演じた菊池日菜子。
阿佐は、時代劇というジャンルに参加したことについて、「初めての時代劇で、不安がありましたが台本を読んで “友情”、“恋心”と現代に通じるものがたくさんあるなと感じました。皆さまにも、壁を作らずに観ていただければと思いました」、菊池は「これまで時代劇に触れる機会が少なかったので、撮影初日は言葉遣いを気をつけようと思ったのですが、スタッフの方が温かく迎えてくださりました。愛情と情熱を持って飛び込めば、通じ合う部分があるのだと思いました」と語った。
また、劇中で主要登場人物の“若き頃”を演じた4人に宛てて、大人になった“現在”の姿を演じた松本幸四郎(長谷川平蔵役)、中村ゆり(おまさ役)、山口馬木也(岸井左馬之助役)、原沙知絵(おふさ役)からの手紙がサプライズで読み上げられた。父・幸四郎から「銕三郎に愛情を降り注いで演じ抜いた染五郎、頼もしかった」と称えられた染五郎は「もうちょっと書いてほしかったですけど(笑)」と言いながら、「うれしいですね。『本所・桜屋敷』も『血闘』も、銕三郎時代にフォーカスされたことは過去になく、不安もありましたが、とにかく主演である父の力になればと思って撮影に臨みました。いつの時代の方にも共感していただけるような人間ドラマが描かれている作品ですし、映像の美しさ、風景の奥行、日本人ならではの美的感覚がつまっている作品です。職人が集まって作った職人芸の結晶ですので、若い世代にも観ていただきたいです」と話した。
そして、染五郎は最後に「『本所・桜屋敷』は味わい深さがある作品ですし、『血闘』は迫力があり、スケールの大きな作品。ぜひ2作とも観ていただき、それぞれの色の違いも楽しんでいただけたら」と締めくくった。