マイナビは5月17日、「育休に対する男女の意識差と実態調査(2024)」の結果を発表した。調査は2024年3月1日~3月3日、20代~40代の会社員(正社員)800名(育休経験者、育休未経験者で各400名)を対象にインターネットで行われた。
「育児退職」を経験した女性は5人に1人、男性も4割弱が退職を経験・検討
子どもがいる女性のうち、育児との兼ね合いで退職する「育児退職」を経験した人は19.3%となり、5人に1人の割合だった。また、「育児退職」を検討したことがある人は24.3%となり、合わせて約4割強が育児を理由に退職を経験・検討したことがあるとわかった。育休経験のある男性でも39.5%と4割弱の人が退職を経験・検討しており、男女問わず、育児と仕事の両立の難しさがうかがえる結果となった。
育休取得日数、男女で大きな差
男性の育休取得日数は、「1カ月未満」の人が半数。内訳をみると、「5日以内」は18.5%、「6日~2週間未満」は14.5%で、取得日数が2週間未満の人が33.0%となった。一方、女性の取得日数は「半年以上」が85.0%にのぼり、男女の取得期間には大きな差が生じた。
「収入減少」が育休取得のハードルに
育休取得のハードルとして最も回答が多かったのは「収入減少」(19.4%)だった。世帯年収別に育休取得率をみると、「800万円以上」から取得率は7割を超え、世帯年収が高いほど育休取得のハードルが下がりやすいことが考えられる。一方で、育休取得者のうち、26.3%が「育休中も給付金があり、収入がゼロになるわけではない」と知ったことが、育休取得のきっかけになっていることがわかった。給付金や助成制度の周知は、収入面がハードルになっている人にとって、育休の取得がしやすい社会の醸成へ一定の効果があることがうかがえる。
パートナーの育休への満足度は何点?
パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性からみた妻の点数は平均82.7点、女性からみた夫の点数は平均58.4点で、男性からみた妻の点数が大きく上回った。女性からみた夫の点数が高い人の理由は「率先して育児・家事をやってくれている」「役所の手続きをやってくれた」、男性からみた妻の点数が高い理由は「しっかり育休をとれて子どもの面倒をみてくれたから」など、2人で協力して育児をできたことや育休取得期間の長さに関することがあげられた。
一方で、点数が低い理由として、女性は「夫の食事まで作らねばならずかえって負担だった」「育休取得期間の短さ」などがあげられ、男性では「自分がやることが多い」や、女性と同じく「取得期間が短い」といった回答があった。育休期間の長さやその過ごし方、家事分担については事前に話し合うなど、協力して育児を行うことが、お互いの満足度につながると考えられる。