テレビ朝日は20日、韓国のスタジオ・SLL社と、ドラマを中心としたコンテンツビジネス分野での相互協力、関係強化を目的とした協業協定を締結したと発表した。

  • 左からパク・ジュンソ氏(SLL制作代表)、武田徹氏(テレビ朝日副会長)=テレビ朝日提供

■テレビ朝日×SLL、グローバルコンテンツの企画開発や共同制作へ

『梨泰院クラス』『財閥家の末息子』『医師チャ・ジョンスク』など数々の世界的ヒットタイトルを生み出し、昨今の韓国ドラマブームを牽引するSLLは、大手放送局JTBCとともに中央グループに所属。テレビ朝日は、SLLとストーリー系コンテンツ分野を中心に企画の共同開発・制作をはじめ、ビジネス分野での連携など、相互協力をすることで、グローバルに対応する強力なコンテンツの創出を目指していく。テレビ朝日とJTBCはこれまで、JTBC開局の2011年より資本業務提携を開始し、日韓両国における報道取材の協力や、ドラマやバラエティなどコンテンツビジネスの拡大に努めてきた。2022年にはSLLが制作し、JTBCで放送された『梨泰院クラス』をテレビ朝日が『六本木クラス』として日本版リメイクし、大きな話題を呼んだ。

JTBCの系列会社である旧JTBCスタジオは主にJTBCドラマの制作を行ってきたが、2022年にSLLと社名を変え、JTBCをはじめ、Netflix、ディズニープラスなど多様なプラットフォームにコンテンツを提供している。今回、改めてテレビ朝日との関係を強化するために協定を締結し、双方での相互理解の促進をはじめ、互いの経験やノウハウ、インフラを供出しあい、世界市場を対象としたコンテンツの創出を目指すという。

■テレビ朝日 武田副会長コメント

当社グループは2023年3月2日に新たな中期経営計画「新しい時代のテレビ朝日 経営計画 2023-2025」において「すべての価値の源泉はコンテンツにある」という基本理念のもと、コンテンツをあらゆるメディアに360°展開を推進しています。

韓国屈指のコンテンツ制作会社であるSLLとのパートナーシップは、この経営計画の中でも掲げているグローバルIPビジネス-世界に通用するコンテンツの制作―を目指すにあたり、強力な推進力になることを確信しております。JTBCとの資本業務提携から始まった長きにわたる信頼関係を含めて、両社のシナジーで世界に愛されるIPを生み出していきたいと考えております。

■SLL パク制作部門代表コメント

多様なコンテンツを全世界に提供してきたテレビ朝日の経験とノウハウがグローバルスタジオに成長したSLLの企画、製作、流通などの力量と融合し良い作品を作りあげることができると期待しています。 今回のパートナーシップをきっかけに今後のコンテンツ事業分野でグローバル市場を目標に競争力のあるコンテンツを共同開発できることを願っております。

【編集部MEMO】
JTBCスタジオから2022年に社名を変更したSLLは、ストーリー企画開発から製作、投資、流通までコンテンツ事業のすべてのバリューチェーンを網羅する完成型スタジオで、Kコンテンツの新しい地平を開いている。『スカイキャッスル』、『夫婦の世界』、『梨泰院クラス』、『地獄が呼んでいる』、『D.P.-脱走兵追跡官-』、『今、私たちの学校は…』などのドラマから『犯罪都市』、『完璧な他人』などの映画まで、プラットフォームとフォーマットに縛られず完成度の高い作品でトレンドを先導している。