アシロは5月16日、養育費の支払いに関するアンケート調査の結果を発表した。調査は2024年4月4日、離婚歴があり、子どもの親権を持たない男性150人(20代11%、30代89%)を対象にインターネットで行われた。

養育費を満額支払っている男性は半数程度

  • 現在、養育費を支払っていますか?

最初に、離婚歴があり20歳未満の子どもの親権を持たない男性150人に対して「現在、養育費を支払っていますか?」と質問したところ、「毎月支払っている」と回答した人は52.0%となった。「その他」を除く44.7%は、支払いの頻度が一定ではなかったり、減額をしたりすることがあるとのこと。

続いて、上記44.7%の人を対象として「支払っていない、もしくは減額した理由を教えてください」と質問したところ、「親権を取りたかった(自分が養育したかった)が取れなかったため、母親側が負担すべきと思ったから」と回答した人が22人となり、最も多い結果となった。また、「子どもと面会させてもらえないため、支払いたくない」が18人と続くことから、経済的な事情よりも元妻との食い違いや確執が原因であることがわかる。

適切な手段で養育費を取り決めたケースは5割強

  • 離婚の時、養育費の取り決めをしましたか?

続いて「離婚の時、養育費の取り決めをしましたか?」と質問したところ、「家庭裁判所を介して取り決めをした」、「公証人役場で公正証書を作成した」と回答した人は56.7%に留まった。これらの手段は養育費の支払いに万が一滞りがあった場合、強制執行を検討できる選択肢であり、離婚時の養育費の取り決めとして有効な阻止となる。しかしながら、「話し合いで取り決めた(口約束)」や「(元)夫婦の間だけで書面作成した」と回答した人の合計が30.7%となり、こうした制度が活用されていない事例が目立つ。また12.6%の人は、そもそも「取り決めをしなかった」と回答。

そこで「取り決めをしなかった」と回答した19人に対して、「取り決めをしなかった理由を教えてください。」と質問したところ、「相手と関わりたくなかった」が最多の7人となった。次点では「子どもを引き取った側が養育費を負担すると思った」が4人であり、親権を持たない親による養育費の支払い義務に関する認知度の低さが伺える。

一方で、「現在取り決め中もしくはこれから取り決める予定」と回答した方が4人、「取り決めをしたかったが、交渉がまとまらなかった」と回答した方が2人いることから、支払う意思はあるものの、当事者間の合意が成されておらず養育費の支払いをしていないケースがあるようだ。

7割以上は減額を希望、妥当な金額は1万円~5万円未満を想定

  • できれば養育費を減額したいと思いますか?

養育費を「毎月支払っている」と回答した78人に対して、「できれば養育費を減額したいと思いますか?」と質問したところ、73.1%にあたる57人が「できれば減額したい」と回答した。続いて、養育費の支払い状況に関わらず150人全員を対象として「養育費は月にいくらぐらいが妥当だと思いますか?」と質問したところ、「1万円~3万円未満」「3万円~5万円未満」と回答した方がそれぞれ42.0%となり、全体の8割以上を占めた。「養育費は義務者(支払う側)と権利者(受け取る側)それぞれの収入状況や、子の年齢といった要素により、適切な金額がケースバイケースとなるため、何円が妥当となるかを一概に示すことはできない」と同社。

4人に1人は養育費について誰にも相談したことがない

  • 養育費について、主にどなたに相談しましたか?

最後に、全員を対象として「養育費について、主にどなたに相談しましたか?」と質問したところ、「自身の家族・親族」と回答した方が51人と最多であることがわかった。次点で「弁護士などの専門家」に相談した人が46人と続いた。

その次に多かった回答は「相談したことがない」の37人であり、約4人に1人が養育費について誰にも相談をしておらず、(元)夫婦だけで取り決めたり、一人で悩んだりしていることがわかった。