フジテレビの宮司愛海アナウンサーが11日、オーディオストリーミングサービス・Spotifyで、ポッドキャスト番組『宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど…』を配信。3年前に他界した母親への思いを語り、思わず涙する場面があった。
繊細で誰よりも強かった母
この日のオープニングトークでは、“母の日”にちなみ、2021年5月にすい臓がんで他界した母親の話題に。放送日は母親の命日だそうで、「亡くなって3年経つわけで。だから、母の日に何かをっていう対象がこの世にいないんだけど」と寂しそうに吐露。「母が教えてくれたことは本当に多くて」と話した宮司アナは、「思春期のときとかは全然仲良くなくて。なんか嫌いだな~っていう時期が長かったんですけど」と打ち明けながら、「今振り返ってみれば、繊細だったけど人間らしくもあり、誰よりも強かった母親だった。もうちょっと、いろんな話をしてれば」とつぶやいた。
また、母親の入院中はコロナ禍だったため、「なかなか会えなくて本当にジレンマだった」と回顧。余命宣告を受けた母親から、「オリンピック見たかったな」というメッセージが送られてきたそうで、「私がスポーツキャスターで、一大イベントのオリンピックに向かって仕事をしてきたのを知ってるから」「やっぱり見せたかった。すごく」とポツリ。宮司アナは、地元・福岡で聖火ランナーを務める予定だったが、「それが5月12日で。いろいろな判断でできなくなった」と言い、「すごく意気消沈してて。走る予定だった前日に亡くなっちゃったんですよ。だから、そこを目標として、なんとか生きようとしてたんだろうな」と涙声で打ち明けた。
母親が亡くなり、「あまり前向きに受け止めることができなかった」という宮司アナは、当時を思い出し、「ヤバい、泣いちゃいそう……」と言葉に詰まる場面も。その一方で、「すごくよかったのは、家族が一つになった」と語り、「バラバラだった家族が一つにまとまり出して、最後に母親が家族を一つにしてから死んでいこうと思ってたんだなって」としみじみ。生前に葬儀会場やお墓を決めていたという母親に対し、「強すぎませんか? だって、このまま死んでいくのに、真正面から向き合ってちゃんと全部整理して。なんかすごい母親だったなって、今思い返しても思いますね」と語った。
最後に、「なんか寂しいのは、だんだん忘れてきちゃうというか。声も忘れつつあるし、どういう人だったかもちょっとずつ忘れてきてるし……」と再び涙し、「忘れないように努力していくということが、亡くなった人への弔いなんだろうなって、今は過ごしてますね」と吐露した宮司アナ。「なんかしんみりちゃった。今だったら泣かずにしゃべれるかなと思ったら、やっぱり泣いちゃった」と苦笑しつつ、「本当に大変なことばっかりだったけど、母親が死に向かう姿勢みたいなものを見せ続けてくれたし、なおかつ家族を一つにしていってくれた。思い返しても、強い母だった」と語って話題を締めくくっていた。
【編集部MEMO】
2023年11月にスタートした『宮司愛海のすみません、今まで黙ってたんですけど…』は、フジテレビアナウンサー・宮司愛海がパーソナリティを務めるSpotifyオリジナルポッドキャスト番組(毎週土曜9時配信)。宮司アナは番組開始前、「入社9年目、会社員として働く毎日で感じたこと、思ったことを話します。アナウンサーとしての私、32歳の等身大の私。背伸びせずありのままの気持ちを言葉で表現したいと思っています。基本的には“ひとりごと”のつもりですが、時々素敵なゲストの方をお迎えしていくつもりです」とコメントを寄せ、「リスナーの皆さまからのメッセージや叱咤(しった)激励も織り交ぜながら、素敵な番組を作っていきたいと思っています!」と意気込んでいた。