アドビは5月14日、講演や事例紹介、トークセッションや交流会を通じてアドビ製品のビジネスへの活用を促すイベント「Make it.」を都内で開催した。
このイベントは世界各国で開催されてきたが、日本では今回の東京が初開催。6月には大阪での開催も予定されている。今年は東京・大阪を含め、11カ国/17都市での開催を予定しているという。
冒頭には4月に同社社長に就任したばかりの中井陽子氏が登壇。社長就任後ほぼ初めての公の場への登場になるという中井氏は、4月の社長就任直後にロンドンで開催された「Make it.」にも参加したそうで、そこではアドビ製品を使ってどうプロダクティビティを発展させるか、生成AIをどう使っていこうかといったことが話題になっていたという。そのイベントを東京で開催できることを「大変うれしく思っています」と語り、「来年も皆様にこの場で会えることを楽しみにしています」とも話していた。
中井氏に続いては、米アドビのシニアバイスプレジデントとしてAdobe Expressおよびデジタルメディアサービスを担当するGovind Balakrishnan氏が「Generative AI: From Playground to Production」と題したキーノートを行った。同氏は先日ベータ版が発表されたばかりの生成AIモデル「Firefly Image Model 3」のビジネスへの活用についてIBMや電通、プルデンシャル生命保険などの事例を交えながら紹介。「Adobe Creative Cloud Enterprise」「Adobe Firefly」「Adobe Express」の3つのツールの活用、カスタムモデルを構築して企業のブランド独自のスタイルなどを反映したクリエイティブアセットの生成が行えること、そしてその学習にあたって利用したデータが外部に対して安全に保護されることなどを解説した。
活用事例の話の最後にBalakrishnan氏は、「ここでもうひとつの会社の例を紹介しましょう。みなさんがよく知っている会社、わたしたちにとっていちばん厳しい顧客……それはアドビです」といい、アドビ自身が生成AIをビジネスに積極的に利用していることを紹介。そして「今日、みなさんの頭にはたくさんの疑問が浮かんでいるでしょう。我々はセッションや交流イベントを通じて、その疑問に応えるためにここにいます。みなさんにとってこのあとの時間が素晴らしいものになることを願っています」と締めくくった。
キーノートに続いては、電通デジタル/サイバーエージェントのクリエイティブ部門の担当者が両社におけるAdobe製品/生成AIの活用状況などを紹介。最後のブロックでは、THE GUILDの深津貴之氏とアドビの竹嶋拓也氏がトークセッションを開催。ステージコンテンツの終了後もロビーのブースには人だかりが続き、懇親会も盛況のようだった。