医療ベンチャー企業「ネクイノ」は、トイレで生理用ナプキンを無料で受け取れるサービス『トレルナ』の全国展開を5月21日に開始します。

サービス提供に先立ち開催された記者発表会では、横澤夏子さんと助産師・性教育YouTuberのシオリーヌさんが登壇。お出かけにまつわる生理の悩みを語りました。

■生理用ナプキンをもっと手軽に、もっと身近に!

  • 全国の商業施設などに設置される『トレルナ』

オンラインとオフラインの医療体験を融合したサービスを展開しているネクイノ。2018年6月には、婦人科向けのオンラインピル処方サービス『スマルナ』をローンチし、ピルなどの医療品を中心にドクターとユーザーをつなぐことで生理の課題解決に努めてきました。

2022年5月からは、突如として生理用品が必要となるケースに対し、生理用ナプキンを必要とする人に届け、誰もがいつでも安心を手に入れられるようにしたいと、「トレルナプロジェクト」を開始。全国38カ所で実証実験を行ってきました。

  • ネクイノ 代表取締役 石井健一氏

2024年度中には全国の商業・公共施設などのトイレに6,000台の設置を予定しているといいます。同社代表取締役の石井健一さんは「生理用ナプキンが、困ったときにできる限り早く手に入り、サステナブルに提供できる仕組みを世の中に供給していきたい」と意気込みを語りました。

■スマホをかざすだけ! その場でナプキンが受け取れる

  • 専用アプリを使用

使い方は至って簡単で、トイレにあるデジタルサイネージに映し出された二次元コードを専用のアプリで読み取ると、ディスペンサーが連動し、その場でナプキンを受け取ることができます。

  • QRコードを読み取ると

  • ディスペンサーからナプキンが受け取れる

専用アプリは無償でダウンロードが可能。ナプキンの提供は1回につき1枚まで無料で配布されます。アプリがなくても、その場でダウンロードできるようステッカーの設置も予定しており、ダウンロードを含めても早ければ1分ほどでナプキンを入手できるのもうれしいポイントです。

■外出中の生理事情は? 横澤夏子さん、シオリーヌさんによるトークセッション

記者発表会には、スマルナのアンバサダーで助産師・性教育YouTuberのシオリーヌさんと、ゲストの横澤夏子さんが登壇。

  • 登壇した横澤夏子さんとシオリーヌさん

横澤さんは本サービスについて、「日々当たり前のように感じていた生理の悩みに対して、こういうサービスを(提供)してくださって本当に助かる女性が増えるということがまずうれしいです。もっともっとこのトレルナが当たり前になる時代が来ればいいな」と感想を述べました。

  • 横澤夏子さん

続いて、女性の生理とお出かけに関するアンケートをもとにトークが繰り広げられました。

同社が実施した調査によると、急に生理が始まり困った経験がある女性は7割以上、場面別にみると、最多は半数以上が選択した「仕事中」、次いで「買い物・移動中」が3割以上という結果に。

横澤さんは「私が一番大変だなって思うのが駅のトイレなんです。駅のトイレで生理になったってわかったときに、改札を出て買うのにも距離があるし、改札内の売店はどこにあるんだろうとか……」と女性なら共感できる不安な気持ちを吐露。

シオリーヌさんは「家には生理用品がいっぱいあるのに、買わなきゃいけない悔しさを経験したことはたくさんありますね。お出かけ用の小さいカバンしか持っていないのに大容量しか売っていないのは困る。この1枚がほしいだけなのに」と、思わずうなずいてしまう“あるある”を明かしました。

  • シオリーヌさん

アンケートでは、外出先で生理になって困ったことを調査。すると、「生理用品の不所持」は6割以上、そのほか「経血で服を汚してしまった」「生理痛で動けなくなった」などの回答も。

また、生理予定日のズレについては、8割以上の女性が「ある」と回答。外出先で急に生理が始まったことをパートナーや同伴者に相談するかの質問に対しては、6割以上の人が「相談したことがない」と答えました。

夫に相談するかの問いに、横澤さんは「私は、妊活だったり妊娠中だったり、そういうときから夫に伝えるようになりましたね。もう、この機嫌の悪さは生理の特性なんだっておおっぴらにすることで開き直れるっていうのもありました」と、夫婦間でのやり取りを紹介。

トイレットペーパーのようにナプキンも常備されていたら……と多くの女性が願ったことがあるはず。あのヒヤッとする悩みがなくなるだけでも、生理ならではのストレスが軽減されますよね。外出先でも生理用品に困らずにすむ日は、近いかもしれません。