キャリアデザインセンターは5月14日、「ゆるブラック企業」についての調査結果を発表した。調査は2024年4月3日~4月14日、同社が運営する「女の転職type」会員463名を対象にインターネットで行われた。
ゆるブラック企業とは、働きやすくて仕事は楽だが、成長できず収入も上がらないような企業のことを指す。今回463名に、ゆるブラック企業がどのような企業かわかるか聞いたところ、6割を超える人が「わからない」と回答した。ゆるブラック企業という言葉は、世間にそれほど浸透していないことがわかった。
ゆるブラック企業の定義を明かしたうえで、ゆるブラック企業で働いたことがあるかを聞いたところ、半数の人が「ある」と回答した。ゆるブラック企業という言葉は知らずとも、自分が勤める企業に対して「働きやすくて仕事は楽だが、成長できず収入も上がらないような企業」だと感じたことがある人は一定数いるようだ。
ゆるブラック企業で働いたことがある人に、ゆるブラック企業だと感じたポイントを聞いたところ「給料がずっと変わらない」が最も多く76.7%、次いで「ずっと昇進・昇格できない」56.5%、「スキルが身につかない」53.9%となった。
その他にも、「上司の好き嫌いでボーナス査定が決まる」(50代/介護・医療・福祉系/神奈川)、「暇な時間が多いからか、女性社員間でのいじめや派閥争いのようなものが絶えなかった」(40代/事務・経理・人事系/埼玉)、「極端な話、ゆるすぎて他社ならもはやクビではというレベルでも許されます。やらかさない人間が全部をフォローしないといけないので地獄をみましたが」(40代/事務・経理・人事系/東京)といった声が寄せられた。
自身が勤める企業がゆるブラック企業だと感じた結果、どうしたかを聞いたところ、「退職した」31.2%が1位で、「転職した」30.4%が僅差での2位だった。あわせると約6割の人がゆるブラック企業だと感じた結果、離職していることがわかった。また「とくに何もしていない」を選んだ人は20.6%に留まっており、約8割の人が今の状況から脱するために何かしら行動を起こしていることがわかる。
ゆるブラック企業で働きたいかを聞いたところ、「ぜひ働きたい」「どちらかというと働きたい」の働きたい派が13.2%だったのに対し、「あまり働きたくない」「まったく働きたくない」が75.6%を占めた。ほとんどの人がゆるブラック企業では働きたくないと感じているようだ。
ゆるブラック企業で働きたい派に、その理由を聞いたところ、ほぼすべての人が「定時で帰りたい」と回答し、次いで「ブラック企業で働くよりマシ」「仕事でプレッシャーを感じたくない」が続いた。
その他、「将来の為に資格の勉強をしたいからです」(30代/事務・経理・人事系/埼玉)、「子供のお世話があるのでゆるブラックと分かっていても利点はある」(40代/その他/青森)、「短時間で負荷もない仕事であれば副業できるので」(30代/事務・経理・人事系/栃木)という意見が寄せられた。
逆にゆるブラック企業で働きたくない派に理由を聞いたところ、「年収を上げたい」69.7%、「やりがいのある仕事がしたい」55.4%、「人生の時間を無駄にしたくない」45.7%という結果に。
その他、「定時で帰りたいがつまらないのも嫌」(30代/事務・経理・人事系/愛知)、「一緒に働く人が意地悪になりそう」(50代/事務・経理・人事系/東京)、「近い将来スパッと切られそうだから」(30代/営業系/神奈川)といった声が寄せられた。