マイナビは5月10日、「中途採用・転職活動の定点調査(2024年1月-3月)」の結果を発表した。調査は2024年4月1日~4月3日、全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人のうち、前月採用活動を行った人、今後3カ月で採用活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人858名と、全国の20‒50代の正社員のうち、前月転職活動を行った人、今後3カ月で転職活動を行う予定の人、直近3カ月に中途入社者がいた人1,382名を対象にインターネットで行われた。
3月の企業の中途採用活動実施率は44.3%、調査開始以降緩やかに増加
2024年3月に中途採用活動を行った企業は全体で44.3%。調査を開始した2021年9月からの推移を見ると緩やかに増加していることがわかる。特に直近3カ月は増加傾向となった。
業種別にみると、中途採用実施率がもっとも高かったのは「IT・通信・インターネット」。次いで「医療・福祉・介護」、「フードサービス」と続いた。IT業界のほか、慢性的な人手不足に悩まされる医療業界・飲食業界において採用意向が高く、半数以上の企業が中途採用を実施していることがわかる。
転職活動実施率は3.8%で、直近1年間は減少傾向
2024年3月の個人の転職活動実施率は3.8%(前年比0.6pt)で、直近1年間は減少となった。月別にみると、1月は特に転職活動実施率が低いが、2月、3月は増加傾向にある。年代別では、直近1年間で20代の転職活動実施率が下がった。また、1、3月の転職活動実施率は20代よりも30代の方が高くなった。
転職活動時の悩みでは、20代で「自分に何が向いているかわからなかった(37.9% 全体比較+10.5pt)」、「何をアピールすべきかわからなかった(37.9% 全体比較+11.6pt)」が同率でトップとなり、他の年代と大きな差が見られた。中途採用において経験者・即戦力が求められる中、20代は現在の職場でスキルを向上させないと転職できないと感じている人がいる可能性がある。
中途採用募集時の年収を上げた企業は37.1% 、今後上げる予定は43.6%
中途採用募集時の年収を上げた企業は37.1%、まだ上げていないが、上げる予定の企業は43.6%となった。合計で約8割超の企業が募集時の年収を上げた・または上げる予定であることがわかった。
年収を上げる理由を聞いたところ、「応募者の質を上げるため(50.0%)」が最多となり、次いで「応募数を増加させるため(47.5%)」となった。企業は応募者の質の高さをもっとも求めていることから、経験者や即戦力を求める傾向が続いているようだ。
また、年収を上げる前の平均金額は429.3万円、上げた後の年収の平均は489.1万円と、増加前と比較し59.8万円高かった。業種別に見ると、増額後の募集時の年収がもっとも高かったのは「IT ・通信・インターネット」が平均532.1万円で、採用意欲の高さがうかがえる。