米OpenAIは5月10日(現地時間)、オンラインイベント「Spring Updates」を発表した。ライブストリーミングを通じて、「ChatGPT」と「GPT-4」のいくつかのアップデートのデモを披露する。開始時間はPT(太平洋時間)の2024年5月13日午前10時(日本時間:5月14日午前2時)で、openai.comからストリーミングにアクセスできるようになる。

5月14日にGoogleが開発者カンファレンス「Google I/O」を開催する。今年は大規模言語モデル「Gemini」のGoogle検索への導入が大きなトピックの1つになる見込みだ。それに対抗して、Google I/Oの前にOpenAIが重要な発表を計画しているという噂が数週間にわたって活発に報じられていた。

OpenAIのストリーミングイベントについて、Reutersは10日に「情報筋によると、OpenAIは月曜日(5月13日)にGoogle検索の競合を発表する予定である」と報じた。Perplexityのような対話型AI機能を搭載した検索製品を発表するという。

また、GPT-5の登場を予想する報道もあるが、OpenAIのサム・アルトマン氏はXへの投稿で「gpt-5ではなく、検索エンジンもない」と述べている。そして「我々は人々が気に入ると思われるいくつかの新しいことに取り組んできた! 私には魔法のように感じられる」と続けた。

テクノロジー産業の情報誌The Infomationは10日、OpenAIがAI音声アシスタントの開発に注力していると報じた。すでにChatGPTのスマートフォン用アプリが音声機能を備えているが、同製品のコミュニケーションはテキストに基づいたものである。新しい技術は、テキストだけではなく音声でもスムースに会話し、物や画像も認識するマルチモーダルAIだという。「スパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』のバーチャル・アシスタントのような、応答性の高いAIを開発し、AppleのSiriのような既存の音声アシスタントをより便利にすることを目指している」としている。

音声アシスタントに関して、AI導入強化を宣言しているAppleが次期iPhone用OSに生成AIを搭載するためにGoogleおよびOpenAIと交渉していると報じられている。iOSのデフォルト検索エンジンがGoogle検索であることが、モバイル時代にGoogle検索の強力な競争力に貢献した。スマートフォンでの情報検索手段がAI音声アシスタントに置き換わるとしたら、Appleとの契約は生成AIの勢力図に大きな影響を与える可能性がある。