トラックの祭典「ジャパントラックショー2024」でイケイケなカスタムが施された車両を発見した。トラックのカスタムといえば演歌歌手やロックスターをボディにペイントしたり、熱量高めのメッセージを漢字で車体に書き込んだり、デコったりといった世界だと思い込んでいたので、エアロパーツ盛り盛りなその姿には驚いた次第だ。なぜこうしたトラックが誕生した?
カスタムトラックに新風!
トラック関連製品のビジネストレードショーである「ジャパントラックショー2024」(パシフィコ横浜で5月11日まで開催)を見て回っていると、会場内でもひときわ異彩を放つ一画に迷い込んだ。DJブースから流れる大音量のヒップホップ、ガチガチなカスタムを施したフェラーリ、壁にはストリート風味の強いTシャツ……。自動車の販売やカスタムなどを手掛ける「リバティーウォーク」(Liberty Walk)のブースだ。なぜトラックショーにリバティーウォーク?
実は数年前からトラックのカスタムを手掛けているという同社。トラックショーのブースは、同社が立ち上げた輸送トラック用ボディーキットのブランド「LB-TRUCKS」をフィーチャーした内容だった。
ドライバー不足の解消に貢献?
クルマ好きの若者にも受けそうなテイストの「LB-TRUCKS」だが、そもそもなぜ、リバティーウォークはトラックを手掛けることにしたのか。いろいろと理由はありそうだが、ひとつは「トラックドライバー不足の解消」につながればとの思いからだそうだ。ブースの担当者はこう語る。
「カッコいいクルマ、大きなクルマに乗りたいと憧れる若い人は、けっこう多いと思うんです。トラックドライバーの働き方であれば『自分の時間が持てる』と考える若者もいるかもしれません。うちのカスタムを見た若い人に、カッコいいな、乗りたいな、ああいうクルマを持っている会社で働いてみたいなと少しでも思ってもらえれば、ドライバー不足の解消につながるのではないでしょうか。あとは、小さな子供が運送業に興味を持つきっかけになればとも思っています」
実際、若手ドライバーの確保に苦戦する運送業者からの問い合わせは増えているという。「2024年問題」が顕在化するかなり前から、業界では若いドライバーをいかに確保するかが課題となっていたそうだ。
「LB-TRUCKS」の強みは、日本に脈々と続くクルマのカスタム文化に根差したボディーキットの品ぞろえだ。デコトラとも「ユーロスタイル」とも違う、独自のテイストで勝負していきたいという。例えばエアロパーツやオーバーフェンダーっぽいフェンダーカバー、独自のカスタムペイントなどが同社の特徴といえる。
大黒PAなどに自慢のカスタムカーで集まる若いクルマ好きにも、「LB-TRUCKS」のテイストは刺さるかもしれない。そもそも彼らは運転が好きなはずだし、カッコいいクルマに乗れるならトラックドライバーになってみたいと考える人もいるのではなかろうか。
「若い子がカッコいいトラックに乗って、中でヒップホップを聞いてみたいな感じでもいいじゃないですか。トラックといえば働く乗り物で、カスタムしてもしょうがないみたいな考え方がありますけど、それって大人の意見ですよね。もう少し子供に戻って、カッコいいとか楽しいとか、そういう単純なことを大事にしてもいいんじゃないですかね」と「LB-TRUCKS」の担当者は話していた。