この時期、富山湾を神秘的な青色に染めるホタルイカ。その姿は一度は生で見てみたいもの。
近年の漁獲量は兵庫県に次いで全国2位の富山県だが、ホタルイカといえば富山というイメージが強い。
東京の築地で働く魚のプロも「うちは富山じゃないと売らない」と太鼓判。そんなに違うの?と思い、富山へ向かった。
地元のお姉さん「越中シスターズ」に聞くと、「東京で見るホタルイカは全然違う。富山のはふっくらしてる。小豆と金時豆ぐらい大きさが違う」とのこと。
公園で会った富山ファミリーは「そろそろ出てくるかなと楽しみ。
もういいわってぐらいいろんな料理法がある」と胸を躍らせる。
ヤング世代は「ホタルイカは生で食べるのが本物。茹でて酢味噌で食べるなんてニセモノ」と強い意見。
スーパーに行くと、茹でたホタルイカもあるが、朝獲れの生ホタルイカが大量に並んでいる!
「生しか買いません」と富山レディー。「茹でたのが食べたければ、自分で茹でればいいし」なるほど、富山ではホタルイカは生がデフォルトなのだ。
じつは富山湾ではメスだけを狙って獲るという。オスより身が大きくふっくらしたメスを食べるのが富山流なのだ。
そこで、富山県民に本当においしいホタルイカの食べ方ベスト3を聞いてみた。
第3位は意外にもホタルイカのしゃぶしゃぶ。
贅沢に盛られた生のホタルイカを昆布だしのスープでしゃぶしゃぶすると、身の甘みと半生のプリプリ食感が最高だとか。シメは雑炊!ホタルイカの出汁が出まくった濃縮スープを米1粒1粒に染み込ませた絶対うまいやつだ。
第2位はホタルイカの唐揚げ。
給食にも出るというホタルイカの唐揚げは、目とクチバシを外し、生姜醤油で下味をつけて揚げる。サクサクの衣にホタルイカの旨味がギュッと詰まって病みつきに。富山キッズも一口でおいしそうに食べてるぞ!
そして第1位は言わずと知れたホタルイカの刺身。
富山湾の漁港近くでとれる新鮮なホタルイカは生食できるのだ。身もゲソもプリプリの食感で、ご飯のお供に最高。
さらに富山の人から聞いた驚きの情報が。毎年春の産卵期に大量のホタルイカが浜辺に打ち上げられるのだとか。年に数回だけのチャンスに、県民たちは夜の浜辺に集結。ホタルイカデートを楽しむカップルもいた!光るホタルイカを大量ゲットし、塩茹でや炒め物、ピザにパスタと楽しむのだ。
ホタルイカを知り尽くした富山県民だからこそ、味わえる贅沢。本場の味と鮮度を体験できるのは富山だけ。今年は10年に1度の大量発生の年。一生に一度は現地で光り輝くホタルイカを見るべし!