大糸線活性化協議会、大糸線利用促進輸送強化期成同盟会、JR西日本は9日、北陸新幹線金沢~敦賀間開業で利便性の高まる大糸線沿線へ、より多くの人に来てもらうことを目的に、新幹線との接続を考慮したバスによる臨時増便などを含む「利用促進・利便性向上の取組み」について発表した。
バスによる臨時増便は、JR大糸線の糸魚川駅から白馬駅までの区間において、鉄道を増便する代わりに新幹線との接続を考慮したバス(増便バス)を運行し、ニーズに応える試み。現行の鉄道ダイヤはそのままで、JR線の乗車券類で乗車できるバスを運行して利便性を高め、大糸線の利用促進や沿線地域の活性化に取り組むとのこと。乗客の利用実態も調査し、延伸効果やニーズを把握する。JR西日本の観光ナビ「tabiwa by WESTER」において、糸魚川駅から白馬駅まで鉄道・増便バスがお得な金額で乗り放題となる周遊パスの発売も予定している。
増便バスの運行は6月1日から開始され、2025年3月31日まで実施予定。糸魚川駅から白馬駅まで1日4往復運行され、運賃は鉄道と同額となる。停車場所は大糸線の各駅前を基本としているが、道路事情等により駅から離れた場所に設置する駅(小滝駅、北小谷駅、中土駅、千国駅)もある。
増便バスは列車と異なり、糸魚川駅から白馬駅まで移動する場合に南小谷駅で乗り換える必要がなく、各駅間の所要時間も列車より少し早く移動できるダイヤが組まれている。ただし、交通事情等で遅延が発生する場合もあり、その際は列車との接続を行わない。バスが満席の場合、次の列車または増便バスを利用することになる。
その他、大糸線の「利用促進・利便性向上の取組み」として、沿線地域の観光資源をもとにした着地型旅行商品の造成、松本~糸魚川間の各駅・エリアにまつわる謎(ミッション)を列車内と沿線駅、周辺施設等に設定したイベント「謎解きラリー」の開催、大糸線全体の観光面での魅力を集約した特設サイトの開設、JR西日本媒体等を活用したプロモーションの実施、京阪神・北陸エリアでのPRイベント開催等を予定している。