メーデーの園芸用品屋さんのラリーの後、テリーさんは「この週末はヴァンセンヌ旧車会の定例ミーティングだからね」と言っていたけれど、立て続けにヴァンセンヌ旧車会というのも…ということでその週末は、同様に第一日曜日に行っているヴェルサイユ旧車ミーティングに行くことにした(テリーさんごめん)。
【画像】ヴェルサイユ宮殿のそばで開催されるミーティングにはシックな雰囲気が漂う(写真33点)
パリ周辺でも東のヴァンセンヌ城、西のヴェルサイユ宮殿というように東西にわかれている。ヴェルサイユにはパリよりも西方の車たちが集まりやすい。ただし、予報では日曜日は雨。雨ならあきらめよう。しかし気まぐれなパリの天気らしく朝から青空で陽がさしている。それでは出かけようと愛車BMW R1100Sに跨がった。ヴェルサイユのサンルイ大聖堂まで15分ほど。走り出してすぐに暗くなり始め、そこに到着したときは霧雨になって街を行く人とたちは傘を差し始めている。とはいえ、始まりが晴れていたせいか参加車両も多いし、集まっている人も結構な数だ。教会の前ということで日曜礼拝やそれに合わせてボーイスカウトやガールスカウトもいて賑やかだ。
時間的にも遅めの11時前に到着する車や、早めに引き上げる車で出入りもあって、去りゆく車に手を振り、新しい車にはしゃぐ車好きの少年たち。平和な日曜の朝である。
ここの常連さんのジャガーCタイプに始まりランボルギーニ・エスパーダもいる。ここでよくみかけるデロリアン。古いモデルではルノーEKやフォードモデルAなどが参加していた。
いつも一緒にモトベカンのモビレットのオーナーたちも集まるが、雨予報で参加者はなし。そんな中ドゥカティのシングル450デズモがいたのはうれしい。意外とフランスでは見かけないモデルだ。
ぐるっと会場を廻って最初の位置に戻るとすでに車が入れ替わっていた。人が集まる先にはブガッティのType44が。そのドアを自由にやや乱暴に開け閉めして出たり入ったりしている男の子。中に入ってドアを閉めるとグローブをし始めた。きっと彼がオーナーなのだろう。
ヴェルサイユの街の中心からは宮殿を挟んで反対側だがレストランやブティックの並ぶ一角。中心街ではない分、シックな装いが似合うこの教会前の広場でのミーティングは東のそれとはまたひと味違う雰囲気が楽しめるのだ。
写真・文:櫻井朋成 Photography and Words: Tomonari SAKURAI