今回は横須賀市の田浦にある「月見台住宅」という市営住宅を紹介します。谷戸と呼ばれる自然豊かな地域にあるこちらの市営住宅は、すでに横須賀市により使用廃止となっており、住民は一人もいません。
入口付近にあった住宅案内図をみると、比較的大きな住宅地だったということが分かります。
木造住宅
自然に囲まれた木造の家は、日本の昔の情緒を感じることができ、おばあちゃんの家に訪れたような懐かしい感じがしました。家の間取り自体は広くはなさそうですが、庭が広いので、窓をあけると狭さを感じなかったのではないでしょうか。
敷地に入っていく石のアプローチは、今でも使えそうです。
月見台住宅は1960年に開発された木造住宅なので傷みは激しいです。
木造住宅は、ひとつの建物に2つの玄関があるように見えたので、いまでいうところの平屋のテラスハウス的な住宅のようです。隣の木造住宅までのスペースがゆとりを持ってとられています。
ブロック住宅
別の場所には、コンクリートブロック住宅があり、こちらは木造住宅と違って劣化があまりないように見受けられます。二部屋とキッチンの2Kの間取りのようです。
近所の子と遊ぶ子供達や、近隣住民と話す大人達の日々の営みに思いを馳せました。今の時代よりも、ご近所付き合いが密にある、住民同士が助け合って暮らしていける場所であったのではないでしょうか。
高台にあるため見晴らしがとてもよく、実際にこの場所を訪れてみて、この住宅が「天空の廃墟群」と呼ばれている意味がよくわかります。名前が「月見台住宅」なので、夜は素敵な月が見えることに疑いはありません。
アーティスト村
同じく田浦駅から徒歩20分程の「田浦梅の里」の奥の谷戸に、「アーティスト村」というのがあり、複数の芸術家の方々がアトリエとして使用しているそうで、いつか訪れてみたいと思っています。 横須賀市はこの場所を「YOKOSUKA ART VALLEY HIRAKU(ひらく)」と名付け、谷戸の魅力発信に力を入れているそうです。芸術家と自然のある場所というのは、とても親和性が高いと思います。
月見台住宅の将来
月見台住宅は、リノベーションされることに決まったようですので、新しく生まれ変わったこちらの場所を見ることができる日を楽しみに待っています。古いものを捨てるのではなく再利用する、それによって新しい価値が生まれるというのはとても素敵です。
【スポット情報】
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