VESA(Video Electronics Standards Association)は5月7日(アメリカ現地時間)、DisplayHDRにおける最新規格「VESA DisplayHDR 1.2」を発表した。ディスプレイ技術の進歩に対応するべく要件の厳格化が図られており、新しいテスト要件も盛り込んでいる。
2017年に導入されたDisplayHDR CTS規格シリーズにおける最新指標。各HDRブランドでDCI-P3ベースの色再現性基準が大幅に厳しく設定されている点が特徴で、DisplayHDR 400では90%、DisplayHDR 500 / 600 / 1000の各領域ではDCI-P3 99%のカバーが必要になるという。
そのほか、DisplayHDR 1.2では新しいテストを追加して信頼性の高い規格になるよう改良が図られている。
- 3つの異なる輝度レベルそれぞれで96色の平均Delta-TPを測定する新しい包括的な色精度テストにより、代表的な色調の範囲についてHDRの色精度をテストする。この新しいテストにより、更新されたスペックでは、400、500、600レベルではDelta-TPエラーが8、1000レベル以上ではさらに厳しいDelta-TPエラーが6しか許容しない。
- 新しい静的コントラスト比テストは、すべてのレベルでより高いコントラスト比のディスプレイ・ハードウェア仕様要件を推進し、さらにDisplayHDRのティア1000以上では2Dローカルディミングを要求する。
- 新しいHDR対SDRブラック・レベル・テストは、消費電力を削減し、バッテリ寿命を向上させながら、HDRモードでのプレミアム・ブラック・レベル性能を確保するのに役立つ(ラップトップ・ディスプレイなど)。
- 複数の黒輝度レベルの精度を測定する新しい黒つぶれテストにより、写真やビデオの作成または消費において、ディスプレイが驚異的なシャドーディテールを持つことを保証する。
- 新しい字幕輝度フリッカーテストは、暗い映画のシーンで字幕が瞬時に現れたり消えたりするなど、輝度レベルが急激に変化する場合に、理想的なローカルディミング動作を保証するのに役立つ。