大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で一条天皇を演じている塩野瑛久にインタビュー。初の大河ドラマで先輩俳優たちとの共演から多くの学びがあり、特に母・藤原詮子役の吉田羊との共演が大きな経験になっているという。
大河ドラマ初出演で多くの学び「確実に経験になっている」
大河ドラマ第63作となる『光る君へ』は、平安時代を舞台に、のちに世界最古の女性による小説といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く物語。主人公・紫式部(まひろ)を吉高由里子、まひろの生涯のソウルメイト・藤原道長を柄本佑が演じ、脚本は大石静氏が手掛けている。
塩野が演じている一条天皇は、道長(柄本佑)の甥で、幼くして即位した66代天皇。入内した道隆(井浦新)の長女・定子(高畑充希)を寵愛するが、道長の長女・彰子(見上愛)も入内し、世継ぎをめぐる政争に巻き込まれる。
塩野は、初めての大河ドラマの現場について、プロフェッショナルだなと感じることが多いと語る。
「セットが本当に作り込まれていて、細かいところにもこだわりがありますし、現場に立っていて皆さんプロフェッショナルだなと感じることがすごく多いです。スタッフの皆さんが楽しみながらしっかり自分たちの仕事をされていて、とてもスムーズに進みますし、リハーサルがあるのも大きいのかなと感じています」
そして、俳優人生において「確実に経験になっている」ときっぱり。
「芸歴はそこそこあるとはいえ、いろんな部分で至らないところがあるので、僕よりも活躍されている方や芸歴が長い方と一緒にお芝居ができてすごく勉強になることもありますし、学ぶもの、吸収できることがたくさんあるなと感じています」
「これから好きな俳優を聞かれたら『吉田羊さん』と…」
特に母・藤原詮子役の吉田羊との共演が塩野にとって大きな経験に。5月5日放送の第18回「岐路」で思いをぶつけ合うシーンが描かれたが、その撮影がとても印象に残っているという。
「2人で対峙するシーンで、僕が台本を読んで思っていたものと、羊さんがぶつけられた思いが違っていて、すごく衝撃を受け、胸に刺さるものがありました。羊さんに『あのシーン本当に素敵でした』と話したら、『私も思っていたリアクションじゃなかったからすごく素敵でした』と言ってくださって。僕もそのときに出てきたリアルな感情をぶつけたのですが、こんな表情や感情が湧き上がるとは思っていませんでした」
吉田の役者としての姿勢からも学びがあったと振り返る。
「キャリアを重ねれば重ねるほど要領よく演じることができるようになると思いますし、僕も油断してしまう瞬間もありますが、羊さんはそういったところが一切ないんです。ドライ(リハーサル)の段階で本番さながらの感情をぶつけてこられた羊さんに尊敬しかなくて、これから好きな俳優を聞かれたら『吉田羊さん』と答えようと決めました。そのぐらい惚れ惚れしました」
さらに、「自分も油断しないようにしようと思いますし、どこまでいってもあぐらをかいてはいけないなと思いましたし、こんな俳優さんになりたいなと素直に思いました」と熱く語った塩野。第17回で藤原道隆(井浦新)が亡くなり、再び後継者争いが繰り広げられている『光る君へ』。まひろと道長の物語を追いつつ、塩野と吉田羊のシーンにも注目していきたい。
1995年1月3日生まれ、東京都出身。劇団EXILEのメンバー。2012年にドラマ『GTO』で俳優デビューし、2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』で立風館ソウジキョウリュウグリーン役を務める。近年の主な出演作は、ドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ、『探偵が早すぎる~春のトリック返し祭り~』(22)、『バツイチがモテるなんて聞いてません』(23)、『天狗の台所』(23)、『ブラックファミリア~新堂家の復讐~』(23)、映画『貴族降臨 -PRINCE OF LEGEND-』(20)、『HiGH&LOW THE WORST X』(22)など。
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