日本テレビ系ドラマ『花咲舞が黙ってない』(毎週土曜21:00~)では、5月11日放送の第5話に、あの“半沢直樹”が登場する。TBS日曜劇場で放送され、世帯視聴率40%超を記録した国民的ドラマ『半沢直樹』が、『花咲舞が黙ってない』と同じ池井戸潤氏の原作ということで実現したコラボレーションだ。

気になる半沢直樹役のキャストについて、「期待を裏切らないと思います」という小田玲奈プロデューサーに話を聞いた――。

  • 『花咲舞が黙ってない』主演の今田美桜

    『花咲舞が黙ってない』主演の今田美桜

池井戸潤原作のコラボに“便乗”

半沢直樹は、舞たちが所属する「東京第一銀行」の合併相手である「産業中央銀行」の行員として登場。原作本の帯でも、「花咲舞vs半沢直樹」と謳っている注目シーンだ。『半沢直樹』というドラマが作られ、翌年に『花咲舞が黙ってない』のドラマが作られ、その後に書かれた『花咲舞が黙ってない』の原作に半沢直樹が登場したことで、今回の“共演”が生まれた。

「この登場人物たちをオーバーラップさせることは、私たちにはできません。まさに原作者の池井戸先生だからこそ、局の垣根を気にせずできることですよね。これは本当に面白いなと思って、完全に便乗しました(笑)」(小田氏、以下同)

『花咲舞が黙ってない』のストーリーの主軸は、臨店班の花咲舞(今田美桜)と相馬健(山本耕史)が、銀行の不祥事と闘うというもの。「『半沢直樹』というドラマが存在していなかったら、今回出てくる半沢直樹は、ただのいち行員です。それに、銀行の合併というテーマに興味を持つ人も、そこまで多くないかもしれない。でも、“合併相手に、あの半沢直樹がいるんだ!”というだけで、ワクワクしますよね」と胸を躍らせる。

受けてくれた俳優は「本当に勇者だ!」

日曜劇場のテイストとは違う『花咲舞が黙ってない』に登場する半沢直樹は、どのように描かれるのか。

「やっぱり堺雅人さんのイメージが付いている役だから、このキャスティングは大変でした。池井戸先生に“この方が引き受けてくれました”とお伝えしたら、“本当に勇者だ!”と言ってましたね(笑)」と明かしながら、「きっと“こんな半沢直樹も見てみたい!”と思う方です。なので、期待を裏切らないと思います」と自信を見せている。

  • 堺雅人

    TBS日曜劇場『半沢直樹』で半沢直樹を演じた堺雅人

日曜劇場『半沢直樹』より前の時系列

第1話で東京第一銀行経営企画部長の紀本(要潤)が、特命担当の昇仙峡(菊地凛子)に「今のこの大事な時期に、不祥事はもってのほかだからね」と話していたが、この“大事な時期”というのは、東京第一銀行が産業中央銀行との合併を控えていることを指していたのだ。

ドラマ『半沢直樹』で半沢直樹が勤務していた「東京中央銀行」は、この合併後の銀行。つまり、今作『花咲舞が黙ってない』の舞台は、時系列として『半沢直樹』より前に当たる。

現在のメガバングが合併によって誕生した時期と同じく、『花咲舞が黙ってない』の原作は2000年代初頭を描いているが、池井戸氏の了承も得て、ドラマでは現在の設定に置き換えた。そのため、「『半沢直樹』も含めると、かなりタイムパラドックスが起きています(笑)」とのことだ。

  • 池井戸潤氏

    池井戸潤氏

  • 小田玲奈プロデューサー

    小田玲奈プロデューサー

●小田玲奈
1980年生まれ、東京都出身。日本大学芸術学部卒業後、03年に日本テレビ放送網入社。『ズームイン!!SUPER』『メレンゲの気持ち』『アナザースカイ』『有吉ゼミ』など情報番組・バラエティ番組を担当した後、『家売るオンナ』(16年)で連続ドラマを初プロデュース。その後、『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』『知らなくていいコト』『生田家の朝』『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール』『悪女(わる)~働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?』『ブラッシュアップライフ』『テレビ報道記者 ~ニュースをつないだ女たち~』『花咲舞が黙ってない』などを担当する。