世界遺産アカデミー/世界遺産検定事務局は4月25日、「勉強して行きたくなった」世界遺産ランキングを発表した。調査は2023年12月11日~2024年1月7日、2023年11~12月に実施した「第54回世界遺産検定」の受検者1,422名を対象に、インターネットで行われた。
勉強して行きたくなった世界遺産ランキング
他を引き離して1位となったのは「モン・サン・ミシェル」。映画のモチーフとしても有名な美しい景観を直に見てみたいという意見が多く寄せられた。名物グルメも楽しみのひとつになっているようだ。
2位には日本の自然遺産「屋久島」がランクイン。日本で唯一、登録基準(ⅶ)が認められている点や「垂直分布」への興味を示すコメントが多く、勉強すると価値や魅力がいっそう感じられるようだ。
最初の世界遺産のうちの1件である「イエローストーン国立公園」が3位に。間欠泉などの景観美はもちろん、「ウィルダネス」(手つかずの自然)の概念を感じてみたいという意見も多く見られた。
4位は謎多きインカ帝国の空中都市「マチュ・ピチュ」だった。かつての生活の痕跡が残る山上の遺跡が印象的だが、手つかずの自然も評価されている複合遺産。
5位は、日本で初めての世界遺産の1つ「姫路城」。2023年が登録30周年の節目で記念行事も多く開催され、ニュースで目にする機会も多くなり、改めてその価値を感じてみたいという人が多かったようだ。
6位は、ドイツ有数の古都・ケルンでひときわ高くそびえる荘厳なゴシック聖堂「ケルンの大聖堂」。建築年月の長さも人々を驚かせている。そのスケールを肌で感じたいという意見が多く寄せられた。
7位はバルセロナに点在する「アントニ・ガウディの作品群」。1882年から建設が続くサグラダ・ファミリア贖罪聖堂の完成は、ガウディの没後100周年である2026年に予定されており、完成前の姿を見ておきたいという人が多いようだ。
8位は「アルベロベッロのトゥルッリ」。第54回検定のパンフレットやバナーなどでメインビジュアルに採用されたこともあってか、TOP10入りを果たした。かわいい見た目や名前だけでなく、税金対策の逸話が印象的だったようだ。
9位はインドの「タージ・マハル」。白大理石で造られた左右対称の美しい霊廟。建造に至るストーリーも人々を惹きつけている。
10位は、北海道の雄大な自然を象徴する場所「知床」だった。海と陸が結びついた食物連鎖と生態系は、勉強したからこそ興味が湧くポイントかもしれない。
卒業旅行で行きたい世界遺産
学生461名を対象に「卒業旅行で行きたい世界遺産」のアンケートも実施された。1位となった「モン・サン・ミシェルとその湾」など、「勉強して行きたくなった」と共通している遺産もあれば、2位にはパリの「セーヌ河岸」、3位に「古都京都の文化財」、6位には「ヴェネツィアとその潟」、7位にはG7広島サミットでも注目された「厳島神社」、10位には「ローマの歴史地区と教皇領」「ローマの歴史地区と教皇領」などの遺産もランクインした。
大人の修学旅行で行きたい世界遺産
学生以外の大人862名を対象に実施された「大人の修学旅行で行きたい世界遺産」アンケートで1位となったのは、ペルー共和国の「マチュ・ピチュ」だった。2位にはナチスによる虐殺の歴史を伝える負の遺産「アウシュヴィッツ・ビルケナウ」、8位には古代エジプト文明の象徴的存在「メンフィスのピラミッド地帯」がランクインした。