東京都品川区の「五反田JPビルディング」が4月26日よりグランドオープンした。1階にフードホール、2階にシェアオフィス、3-4階にホール、3-12階にオフィス、14-20階にホテルを構える大規模複合施設。開業記念式典では、日本郵政不動産の山代裕彦社長、星野リゾートの星野佳路代表らが挨拶した。
五反田の新たなランドマークが誕生
郵政省の簡易生命保険の資金をもとに建てられ、1982年から30年以上にわたって五反田のアイコン的な存在となってきた「旧ゆうぽうと」。その跡地に、新たに五反田JPビルディングが建設された。
日本郵政不動産の山代裕彦社長は、五反田JPビルディングの2つの特徴を紹介する。1つは、多様なニーズに応える施設構成を目指したこと。「オフィスを中心に、ホテル、フードホール、ホール&ギャラリーなどが有機的につながり合うことで、利用者の多様なニーズに応えることを目指しています」とする。
もう1つは、持続可能な社会の実現に向けてSDGsの実現に寄与する、サステナブルな設計になっていること。最新の耐震性能、72時間運転可能な非常用発電機の設置といった特徴を挙げ、さらには「旧ゆうぽうとの地下駆体を活用することで、建物の解体にともなう廃棄物を削減しました。建物全体を新築した場合と比較して15%ものCO2排出の削減を実現しています」と説明。
「五反田JPビルディングは『TOKYO, NEXT CREATION』をコンセプトに、人々の新しい働き方、新しい生活をこの五反田から積極的に発信していきます。将来的には、世界を変えるようなイノベーションの拠点をつくることができたら。日本郵政不動産としては、今後も微力ながら地域の発展に努めてまいる所存です」(山代社長)
続いて、テナント企業を代表して星野リゾートの星野佳路代表が挨拶した。星野リゾートでは全国で6つのブランドを展開しているが、五反田JPビルディングには「OMO5東京五反田(おも) by 星野リゾート」を展開する。客室数は188室(地上14-20階)で、OMOカフェ、ショップ、水景のある空中庭園などを設置。「今回は五反田の街に賑わいを作ってほしい、というミッションをいただきました。まさに私たちのブランドは五反田の中に溶け込むホテルになったんじゃないか、と自信を持っています」と星野代表。
「OMOでは、都市に来られるビジネスの方だけでなく、観光にいらっしゃる方もターゲットにしています。そしてペットと一緒に旅行する方にも泊まっていただけるよう、客室の1割ほどをペット同伴で宿泊できる部屋として確保しました。OMOドッグガーデンなど、ペットと共に楽しめるような施設も用意しています」(星野代表)
そして「これから周囲の企業や団体と連携しながら、新しい五反田の文化をつくっていきます。五反田の街のにぎわいを国内外に発信していければ」と抱負を語った。
このあと、日本郵政の増田寬也社長が登壇。はじめに「近年、五反田では穴場の飲食店のにぎわいに加え、交通利便性のわりに手頃な家賃という実用面に惹かれたスタートアップ企業が続々と集まりだしており、渋谷、六本木に次ぐベンチャー集積地となりつつあります」と紹介。そのうえで「五反田JPビルディングが次世代イノベーションの発信基地として五反田の持つ吸引力を底上げし、より多くの人が集い、さらに魅力的な街になるお手伝いができるよう、開業後も地域の皆さまとのつながりを大切に育んでまいります」と話した。
最後に、品川区長の森澤恭子氏が挨拶。「新たな五反田のランドマークの誕生ということで、多様な方々がこの街を訪れにぎわうことを期待し、大変嬉しく思っています」と笑顔を見せる。「一般的に、五反田=ビジネス街というイメージがあるけれど、この地域には目黒川や魅力的な商店街などの見どころも多く、品川区としても観光に力を入れていくところです」と意気込みを語った。
区の施設としては、3-4階に「CITY HALL & GALLERY GOTANDA」(品川区立五反田産業文化施設)がオープンする。約400席のホールと約80席のギャラリーは品川区による運営となる。これを踏まえ「五反田JPビルディングは、ビジネスとエンターテインメントの両方に対応しています。区民の皆さんにはもちろん、ビル入居の企業様、事業者様にも幅広くご利用いただければ」と呼びかけた。