リスクモンスターは4月25日、第12回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査結果を発表を発表した。調査は2024年3月15日、20~69歳の父母・祖父母800名を対象にインターネットで行われた。

  • 第12回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」ランキングトップ20

ランキング1位は「国家公務員」(回答率16.0%)となった。次いで2位「地方公務員」(同13.3%)、3位「トヨタ自動車」(同10.8%)、4位「任天堂」(同6.9%)、5位「パナソニック」(同5.4%)、6位「アップル(Apple)」(同5.3%)、7位「三菱商事」(同4.8%)、8位「伊藤忠商事」(同4.4%)、9位「ソニー」(同4.1%)、10位「日本航空(JAL)」(同3.9%)と続いた。トップ20にランクインした業種は、製造業が10社(トヨタ自動車、任天堂、パナソニック、アップル(Apple)、ソニー、サントリー、本田技研工業(ホンダ)、日清食品、日立製作所、カルビー)となり、次いで、総合商社3社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産)がランクインしている。

前回の調査結果と比較したところ、1位「国家公務員」、2位「地方公務員」の順位は入れ替わっているものの、引き続き公務員人気の根強さがうかがえる。また、3位の「トヨタ自動車」は、初回調査から民間企業における1位を維持している。

ランキングが大きく変動した企業としては、ランクアップでは「オリエンタルランド」(前回58位→16位)、「アマゾン」(前回40位→19位)、「カルビー」(前回58位→19位)、ランクダウンでは「NTTドコモ」(前回8位→30位)、「NTTデータ」(前回19位→36位)、「キヤノン」(前回19位→51位)が目立っている。

  • 第12回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」ランキングトップ100

子・孫別に勤めてほしい企業について集計したところ、子・孫ともに公務員がトップ2となり、トップ20のうち9社が共通してランクインする中、子に勤めてほしい企業においては、「任天堂」が「トヨタ自動車」を抜いて3位に浮上したほか、「オリエンタルランド」、「タカラトミー」など、子どもが好きな製品・サービスを扱う企業や、「アップル(Apple)」、「グーグル(Google)」、「アマゾン」などのグローバル企業が上位にランクインした。一方で、孫に勤めてほしい企業では、「日本航空(JAL)」、「全日本空輸(ANA)」、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」、「東海旅客鉄道(JR東海)」の航空・鉄道会社4社が上位にランクインするなど、子と孫とで傾向にやや違いがみられた。

子・孫の男女別に勤めてほしい企業を集計したところ、男女ともに国家公務員が1位となった一方で、男子では「トヨタ自動車」(回答率13.8%)が、公務員を選択対象に加えた第5回調査以降で初めて「公務員」の牙城を崩し、2位にランクインした。

また、男子の子・孫に勤めてほしい企業には、「ソニー」、「日立製作所」、「本田技研工業(ホンダ)」、「キヤノン」、「タカラトミー」、「富士通」、「三菱重工」など、メーカーが多くランクインしているのに対して、女子の子・孫に勤めてほしい企業では、「サンリオ」、「資生堂」、「オリエンタルランド」、「カルビー」、「イオン」、「味の素」、「花王」など、アミューズメント企業や美容・飲食料品・生活関連商品を扱う企業のランクインが目立った。

  • 子・孫別勤めてほしい企業ランキングトップ20

  • 子・孫の男女別勤めてほしい企業ランキングトップ20

子・孫に勤めてほしい企業において重視するイメージについて調査したところ、1位「経営が安定している」(回答率46.1%)、2位「過重労働・ハラスメントがない」(同40.5%)、3位「福利厚生が充実している」(同39.5%)の順となった。1位の「経営が安定している」は、子・孫、男女問わず高い回答率を得ており、子・孫の勤務先に対して、事業の安定性が一番の関心事であることが表れている。5位の「給与が高い」については、男子の回答率が4割と、女子に比べて10ポイント以上高い結果となっている。

また、子・孫に期待する働き方を調査したところ、1位「趣味・特技を生かした活躍」(回答率45.4%)、2位「業歴の長い企業で企業の歴史を学んでほしい」(同32.0%)、3位「グローバル展開する企業での活躍」(同31.3%)となり、1位の「趣味・特技を生かした活躍」は、子・孫別、男女別ともに圧倒的な回答率を得る結果となった。

  • 重視するイメージ

  • 期待する働き方

子・孫に勤めてほしい企業において、稼いでほしいと考える最低年収を調査したところ、「年収は気にしない」(回答率29.1%)が約3割を占め、最も多い回答となり、以下2位「500万円以上」(同 16.4%)、3位「600万円以上」(同 15.4%)と続いた。「年収は気にしない」以外では500万円前後に回答が集まっており、民間企業の平均年収が458万円(2022年版「民間給与実態統計調査」)であることや、重視するイメージにおいて「給与が高い」が5位とさほど重視されていないことを考慮すると、高収入への期待よりも人並みの収入を得て安定した生活をしてほしいと考える父母・祖父母が多い様子がうかがえる。2024年3月に実施した就職活動生向けの「第10回就職したい企業・業種ランキング」の結果においても、500万円前後の回答が多く、父母・祖父母の回答と共通した傾向がみられた。

  • 稼いでほしいと考える最低年収

本調査結果と就活生ランキングを比較すると、上位にランクインしている業種に、多少の相違は見られるものの、どちらも公務員がトップ2となっており、就活生においても「安定性」を重視していることが表れている。さらに、トップ20のうち半数近い9社が共通してランクインしていることや、希望する最低年収が平均年収程度であることに関しても共通点がみられ、父母や祖父母の思いは、結果として就活生の希望とさほど相違していない様子がうかがえる。

  • 第12回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査/第10回「就職したい企業・業種ランキング」調査との比較

近年では、保護者の反対による内定辞退を避けるために、内定時に「オヤカク」なる保護者に対する入社同意確認を行う企業も現れており、新入社員の保護者に対する配慮に変化が生じている。今回調査を行ったリスクモンスターは、「かかる状況において、本調査の結果を踏まえれば、企業としては、「経営の安定化」や「労働環境の健全化」を図り、本調査の上位ランクイン企業のように父母・祖父母世代にも認められる企業を目指すことが、優秀な人材を確保するための重要な要素と言えるでしょう」と述べている。