アドビは4月23日、生成AIモデル「Adobe Firefly」の次期メジャーリリースとなる「Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル」を発表し、ベータ版の提供を開始した。
ブラウザーから利用できる「Adobe Firefly Web」でも、Firefly Image 3 モデル(プレビュー)による画像生成を試すことができるようになっている。また、Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)を搭載した「Adobe Photoshop」のベータ版も同日公開されている。
Adobe Fireflyは、2023年3月に発表され、2023年9月に商用版がリリースされたAdobeの生成AI基盤。Photoshop/Illustrator/Premiere Proといったアプリケーションに統合されているほか、ブラウザーから「Adobe Firefly Web」にアクセスして利用することができる。発表以来、世界中で70億枚以上の画像生成に利用されており、Adobe Photoshopなどのアプリケーションの新規契約数の30%増加など、ユーザーの拡大に寄与しているという。
Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)は、Adobe Fireflyの次期バージョンで、品質/正確さの向上、生成速度アップにより、ユーザーの生産性や効率の改善を可能にするものとなる。具体的な機能としては以下のようなものが挙げられている。
自動スタイライズ機能による新次元のクリエイティブな表現
新しいスタイルエンジンを搭載し、より高品質でバラエティに富んだ出力が可能となり、生成する画像のスタイルをより自由にコントロールできるようになる。さまざまなスタイル、色、背景、被写体のポーズなど、クリエイティブなアイデアを生み出すための幅広いオプションが用意される。
「構成参照」と「スタイル参照」によるクリエイティブコントロールの強化
参照用画像の構成にマッチした新しい画像の生成、スタイル参照でのより高品質な出力が行われることにより、試行錯誤の負担の低減、生成スタイルのより自由なコントロール、作業の効率化が可能となる。
高品質な画像
より高性能な照明/ポジショニング/バラエティによって、高品質な画像を提供できるようになる。人物のレンダリング(細かな特徴/さまざまなムード/表情)/複雑な構造/集合体も大きく改善されている。
豊富なディティールとプロンプトの精度
Adobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)は、テキストプロンプトとシーンをより深く理解するため、長くて複雑なプロンプトを正確に反映し、より多くのディテールを含んだ画像生成が可能となる。テキストレンダリングも改善され、明瞭な文字列を含む画像を生成できるようになる。
イラストとアイコンの幅広いスタイル
イラストの出力を大きく改善し、アイコン/ロゴ/ラスター画像/線画をすばやく作成できるようになる
なおアドビはこのAdobe Firefly Image 3 Foundation モデル(ベータ版)の発表にあたり、生成AIの開発にあたって説明責任/社会的責任/透明性のAI倫理原則に従うことをあらためて表明している。Fireflyで生成されたコンテンツには作成/編集のプロセスでAIが利用されたかどうかなどを示すコンテンツ認証情報を付与し、詳細な情報を提供する。このコンテンツ認証情報は2019年にアドビが主導して設立されたコンテンツ認証イニシアティブ(CAI)によって開発されたもので、CAIには現在2,500以上の企業・団体が参加しているという。