現在放送中のABCテレビ・テレビ朝日のドラマ『あなたの恋人、強奪します。』(ABCテレビ:毎週日曜23:55~、テレビ朝日:毎週土曜26:30~、TVer・ABEMAで見逃し配信あり、ほか地域でも放送予定)。永嶋恵美氏による恋愛ミステリー『泥棒猫ヒナコの事件簿』シリーズを実写化する同作は、浮気、DV、モラハラなどによるクズな男性との恋愛トラブルを“強奪”という手段で解決し、助けを求める女性にそっと幸せを運ぶ痛快略奪エンターテインメントとなっている。

今作の主人公は、武田玲奈演じる、狙ったオトコを100%の確率で落とす探偵事務所・オフィスCATの社長で泥棒猫の皆実雛子=ヒナコ。そんなヒナコの相棒で切れ者の便利屋・浅沼陽介は、切れ者で法律にもインターネットにも強いが、弁護士試験には3回落ちている司法浪人だ。今回は陽介を演じる渡邊圭祐が、今作の見どころや役どころ、俳優人生6年目の現在地について語った。

  • 渡邊圭祐

    俳優の渡邊圭祐

陽介の役作りは武田のヒナコに寄せた

――まずは台本を読んだときの印象を教えてください。

依頼人それぞれに恋愛模様や人間模様があり、人間の欲などの汚い部分も描かれたストーリーがオムニバスで構成されていて、テンポが良く、面白い作品だなと思いました。

――渡邊さん演じる陽介は社長・ヒナコの助手として活躍しますが、どんなキャラクターだと感じましたか。

仕事をプロフェッショナルにやり遂げるしっかり者だという印象を持ちました。でも実は、後半に陽介のパーソナルな部分が描かれる話があるんです。その出来事がきっかけの1つとなって、物語がさらに転がっていくので、陽介の人間らしさをちゃんと見せられたらと思っています。

――楽しみにしています! 陽介の役作りで苦労した点があれば教えてください。

どんなキャラクターにもできるなと思ったんですよ。明るくもできるし、静かなキャラにも、好青年にも。だからこそ自分で決めすぎず、武田さんが持ってくるヒナコを見て合わせたいなと思いました。オフィスCATで一緒にやってきた二人だから、仕事のやり方はもちろん、空気感も似てるんじゃないかなと。

武田玲奈・渡邉美穂の印象

――ヒナコを演じる武田さんの印象は。

自分をしっかりと持っている方。気分の上がり下がりがほとんどなくて、大人だなと感じます。はじめましてだったのですが、毎日の挨拶の中で「あ、心を開いてくれた」と感じたタイミングがあって、そこからより話しやすくなりました。あと、頭の回転が速いです。

――続いて、第1話の依頼人でオフィスCATの仲間になる早川梨沙役の渡邉美穂さんの印象は。

気遣いの方です。周りを笑顔にさせようという気持ちが強くて、「疲れないのかな」と心配になるぐらい、現場での気配りがすごかったです。もともと根っこから明るいタイプというよりは、明るく振る舞うことが体に染み込んでいるような。武田さんも渡邉さんも心がキレイな方だなという印象を持ちました。僕とは真逆です(笑)。

――いやいや(笑)。渡邊さんは人間観察力がすごいですね。

あくまで僕にはこう見えていたというだけで、本人からすると違うのかもしれませんが。二人とも本当にいい方で、お芝居をするうえでの三人の空気感もすごく良かったんじゃないかなと思います。

  • 『あなたの恋人、強奪します。』より (C)ABCテレビ

初対面の相手と話すときに心がけていること

――ヒナコは「狙ったオトコを100%落とす」という女探偵ですが、渡邊さんが人と仲良くなるため、好印象を与えるために心がけていることはありますか。

印象について考えたことはないのですが、相手が楽しんでいるかどうかは気になります。初対面だと、もちろん自分も話しつつ、どちらかというと相手に話していただくようにして、「この話、食いつくな」「この話題だと、盛り上がるな」「多分これは触れられたくないんだろうな」とめちゃくちゃ考えて人と接しています。

――いつからそんなことを考えるようになったんですか。

小中学校の頃です。人ってやっぱり皆に好かれたいじゃないですか。目の前の相手に嫌われないためには、顔色をうかがうのが一番早いんです。ずる賢いというか、良くも悪くも世渡りがうまいタイプなのかもしれないです(笑)。

――子どもの頃から鋭い観察眼をお持ちだったんですね。

言葉にするとすごく計算高い人間のようですが、実際は、常にそんなことを考えているわけではありません(笑)。接客業の経験で身についたものもあると思います。

  • 渡邊圭祐

俳優6年目、視野広がり芝居の引き出し増えた

――渡邊さんは2018年に『仮面ライダージオウ』でドラマデビューを果たして、現在俳優6年目です。デビューした頃と現在で、お仕事に対する考え方が変わった点はありますか。

基本的には、あまり変わっていません。でもたくさんの方と共演させていただいて、お芝居のやり方ってこんなにもあるんだと知ったことで、視野が広がって引き出しが増えて、すごく柔軟になった気がします。選択肢が増えたからこそ、対応力が上がったというか。たとえば掛け合いシーンを撮影するとき、デビュー当時は何か仕掛けられてもうまく対応できなかったけど、今はある程度受け止めて跳ね返せるぐらいにはなって、当時に比べたら成長できたのかなと。

――デビューの頃より、楽しくなっていますか。

楽しくなっています。ただ、その分悩みも増えました。バイキングで品数が多すぎて悩んだり、服を見に行って「こんなに悩むなら、こっち試着しなきゃよかったな」と思うことってあるじゃないですか。増えたせいで、「どっちが正解だったんだろう」「あっちのほうが良かったのかな」と悩むことがあります。だからこそ、面白いんですけどね。

――これから、どんな俳優人生を送りたいですか。

今まで通り楽しくやりたいです。どうなろうかと考えるよりも、ちゃんと楽しんでいればいい感じに成熟していくんじゃないかって。僕は、“なるようになるさ精神”がすごく強いので。

――30歳で6年目。芸能界だと、フレッシュなほうですよね。

めちゃくちゃペーペーなので(笑)、これからも頑張っていきたいです。

――では、最後に『あなたの恋人、強奪します。』、これからの見どころを教えてください。

オフィスCATの歴史やヒナコの過去、ここからいろんな点と点が繋がって線になっていくので、より面白くなります。ぜひ続けてのご視聴をよろしくお願いします。

  • 渡邊圭祐
■渡邊圭祐
1993年11月21日生まれ、宮城県出身。俳優、モデルとして活躍。ドラマ『仮面ライダージオウ』(18~19年)、『私のシてくれないフェロモン彼氏』(22年)など、話題作に出演。映画作品では、『ブラックナイトパレード』(22年)、『わたしの幸せな結婚』(23年)など。現在放送中のドラマ『95』、『アンチヒーロー』、『あなたの恋人、強奪します。』、大河ドラマ『光る君へ』に出演中。公開待機作に主演映画『三日月とネコ』(5月24日公開予定、倉科カナ、安達祐実とトリプル主演)がある。
■スタイリスト:岡本健太郎 ■ヘアメイク:木内真奈美(OTIE)