商船三井のグループ会社である商船三井ドライバルクは、JFEエンジニアリングと海上運送契約を締結した。また、商船三井は、泰州三福重工集団有限公司と、同契約に投入予定の新造モジュール船の建造に関する造船契約を締結した。本件は日本初となる内航モジュール船による洋上風車基礎部材輸送となる。

本船は2026年春の竣工を予定している。その後、JFEエンジニアリングが4月に操業を開始した洋上風力発電用基礎であるモノパイルの同社製造拠点から、国内洋上風力発電建設予定地に向けた洋上風力基礎の内航海上輸送に従事する。本船は商船三井ドライバルクの管理のもと、商船三井内航が運航予定だ。

本船は、先行する欧州市場で実績を積んだ最新のデザインをベースに設計されている。非自航台船と比較して高い耐候性能を有することに加え、ダイナミックポジショニングシステム(DPS: 自動船位保持装置)を搭載しており、貨物を風車建設サイトのSEP船へ直渡しすることも検討可能だ。

モジュール船は、フラットな甲板を有し、モノパイルやタワー、ブレード、ナセル、浮体基礎といった風車部材を船尾・船側方向から多軸台車等を用いて直接積み込むことができ、あらゆる大型重量物の輸送にも対応可能。今後、国内洋上風力発電の進展とともに、風車部材の国内輸送における需要拡大が見込まれるため、様々な場面での活躍が期待されている。商船三井ドライバルクは同社が培ったモジュール船の運航ノウハウを生かし、本件でも海上運送における顧客ニーズに応えていくという。