トヨタは4月18日、ランドクルーザー250シリーズを正式発表、同日より発売した。あわせて特別仕様車「ZXファーストエディション」と「VXファーストエディション」を設定。この特別仕様車は合計8000台の限定車となる。ラインアップ及び価格は下記のとおり。なお、全体の月販基準台数は2250台だ。
■カタログモデル
〈ディーゼルエンジン車〉
ZX(7人乗り):735万円
VX(7人乗り):630万円
GX(5人乗り):520万円
〈ガソリンエンジン車〉
VX(7人乗り):545万円
■特別仕様車
〈ディーゼルエンジン車〉
ZXファーストエディション(7人乗り):785万円
VXファーストエディション(7人乗り):700万円
〈ガソリンエンジン車〉
VXファーストエディション(7人乗り):590万円
新型車250シリーズは、ランドクルーザーの中核モデルとして悪路走破性をベースに扱いやすさを付与。時代とともに高級・豪華路線にシフトしてきたこれまでのランドクルーザープラドが位置するライトデューティーモデルを、本来の姿に戻そうと取り組んだモデルだ。
これまで「プラド」と呼ばれてきた通称名は「250シリーズ」と改められた。普遍の70シリーズ、象徴としての300シリーズ、その中間に位置するのが今回の250シリーズで、生活実用という本来求められてきた原点に回帰させている。
250シリーズは、300シリーズと同じ強固なGA-Fプラットフォームを採用。優れた悪路走破性を追求するとともに、ランドクルーザーとしては初となる電動パワーステアリング(EPS)とSDM(Stabilizer with Disconnection)を搭載した。
EPSはオフロードでのキックバック低減に加え、オフロード・オンロードを問わない扱いやすさを確保。SDMはスイッチ操作でフロントスタビライザーのロック/フリーを切り替えることが可能で、オフロードでの悪路走破性・乗り心地と、オンロードの操縦安定性を両立させるシステムだ。
今回の発売を記念して設定された特別仕様車ファーストエディションは2種類。
最上級となるZXファーストエディションは、2.8リッターのディーゼルエンジン搭載のZXグレードをベースに原点回帰をより強調する丸目型Bi-Beam LEDヘッドランプやマットブラック塗装のアルミホイール&18インチオフロードタイヤなどを装備。
VXファーストエディションは、2.8リッターのディーゼルエンジンと2.7リッターのガソリンエンジンを搭載する2タイプのVXグレードをベースに、専用外板色サンドや内装色ダークチェスナットを特別採用。先進機能を追加したトヨタセーフティセンス、トヨタチームメイトも設定されている。
そのほか主な特別装備として、緊急時操舵支援(アクティブ操舵機能付き)+フロントクロストラフィックアラート+レーンチェンジアシスト、アドバンストドライブ(渋滞時支援)+ドライバーモニターカメラも採用する。
さらに、本革シート表皮(専用加飾付き)や合皮革巻きドアトリムオーナメント(FIRST EDITIONのロゴ入り)に加え、インパネ加飾(専用ザイル調チタニウムフィルム+メッキ付き)を特別仕様車共通アイテムとして追加、特別感を強調している。
■今回新たに追加された情報
今回の発売に際して、新たに追加された情報は下記のとおり。
〈新開発サスペンション〉
・ハイマウント・ダブルウィッシュボーン式(フロント)とトレーリングリンク車軸式(リヤ)のサスペンションを採用。前後のサスペンションジオメトリーを最適化
・悪路走破性の指標となる優れたホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を確保
〈強靭な走りを支えるフルタイム4WD(トルセンLSD付トランスファー)
・センターディファレンシャルにトルセンLSDを採用し、路面状況や走行状態に反応して前後のトルク配分を最適にコントロール。より卓越した走行安定性を実現
〈2.8リッター直噴ターボディーゼルエンジン+Direct Shift-8AT〉
・オフロード/オンロードでの扱いやすさを追求。最大トルク500Nm(51kgf・m)をエンジン回転数1600~2800rpmという低回転で発生させ、低回転からのトルクフルな走行とクルマを操る楽しさを実現
・WLTCモード走行燃費は11.0km/Lを達成。DPR5や尿素SCRシステムの採用により、窒素酸化物(NOx)を大幅低減。これにより排出ガス規制の基準「平成30年排出ガス規制」に適応
〈2.7Lガソリンエンジン+6 Super ECT〉
・最高出力120kW(163PS)、最大トルク246Nm(25.1kgf・m)を発揮する自然吸気エンジンと6 Super ECTを組み合わせることで、スムーズな加速はそのままに、日常で良く使われる発進~低速走行シーンでのスムーズさと下り坂での高い車速コントロール性を追求
・Dual VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)の採用や高圧縮比などにより、WLTCモード走行燃費は7.5km/Lを達成
〈3列シート7人乗りと2列シート5人乗りの2つのタイプを設定〉
・運転席の着座位置を後方に移動しつつ、2列目と3列目シートの配置位置の見直しを実施。951mmもの広い前後カップルディスタンスを確保
〈6:4分割セカンドシート使用時でも408Lものラゲージ容量を確保〉
・スイッチ操作で自動的に格納する5:5分割フロア格納サードシートやバックドアを開けずに荷物の出し入れが可能なバックドアガラスハッチを採用することで、荷物の形や大きさに応じた使い方ができる大容量ラゲージスペースを実現
〈エクステリア〉
・歴代のランドクルーザーの特長である車軸に対しキャビンを後ろ寄りに配置するキャビンバックワードプロポーションを採用
・ランドクルーザーらしい悪路での機能性を具現化したサイドビュー。オフロードでも、路面を見下ろしやすいように一段低くクランクさせた水平基調のベルトライン。岩などとの干渉を避けるため削り取られたサイドドアパネル下部やフロントおよびリヤのバンパー下部が、同時に軽快感を醸成
・機能部品を一括りにまとめ、引き締まった印象を強調するフロントビュー。オフロード走行時の破損リスクを考慮し高く中央に寄せたランプ配置や破損しやすいコーナー部のみ交換可能な分割式バンパーなど、歴代ランドクルーザーがこだわってきた機能美を追求
・「アバンギャルドブロンズメタリック」、「スモーキーブルー」などのモノトーンカラー5色に、ライトグレーのルーフ色と新規開発色「サンド」を組み合わせたツートーンカラー含む全6色のボディカラー
〈インテリア〉
・実用オフローダーらしい高い機能性とともに乗員に安心感をもたらす室内空間を追求。悪路でもクルマの姿勢を捉えやすい水平基調のインストルメントパネルを採用。高さを抑えた造形が乗員への圧迫感を軽減。またドアトリムアッパー部からインストルメントパネルへと連なる形状が、骨太に乗員を包み込み安全・安心感を醸成
・直立したAピラーが斜め前方の死角を減少。低く設計されたカウルとインストルメントパネル上部によって良好な前方視界を実現し、安全なオフロード走行をサポート
・スイッチ類の集中配置を実現しながら、一方で形状と操作方法を機能ごとに区別するなどその体験から生まれた工夫を随所に採用。オフロードなど過酷な環境においても、より運転に集中しやすいレイアウトを創出
・ランドクルーザーの世界観を提供する2つのインテリアカラー。実用オフローダーらしい力強い空間を表現する「ダークチェスナット」と、精悍でハードな空間を演出する「ブラック」を配色
〈トヨタセーフティセンス〉
先進機能を付与し、機能向上した最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に採用。対応する事故形態を一層拡大し、より安心な運転をサポート。
・「プリクラッシュセーフティ」
車両、歩行者、自転車運転者に自動二輪車(昼)を加え検知範囲を拡張し、衝突回避または被害軽減に寄与。事故割合が高い交差点での支援拡大
・「プロアクティブドライビングアシスト」
一般道などのシーンでもドライバーの運転をさりげなく支援。「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポート
〈トヨタチームメイト〉
高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」を設定。自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h~約40km/h)レーダークルーズコントロール及びレーントレーシングアシストの作動中に、ドライバーが前を向いているなど一定の条件を満たすとシステムが作動。認知、判断、操作を支援することで、ドライバーは渋滞時の疲労軽減が可能となり、より周囲に注意を払った安全運転が可能
〈その他の安全・安心装備〉
ドライブレコーダー(前後方)を設定。トヨタセーフティセンスの単眼カメラと新たに追加した後方カメラが捉えた走行中の映像を内蔵メモリに録画。映像データはディスプレイオーディオでの再生に加え、スマートフォンやUSBメモリに転送し持ち運びも可能。
文=ドライバーWeb編集部